109話 ややこしい特徴
「そこの人、もしかしてドッペル?」
「いや、違うけど……」
「ならなんでこの人と一緒の顔なの!?」
私はセラフィスが捕まえた人を見た。
(明らかに同じ人だなぁ)
そして二人が顔を合わせた時、驚きの会話をした。
「あれ、兄貴!?」
「どうしてお前がここに居るんだよ……」
「……へ?」
どうやらこの人たちは兄弟のようだった、でも同じ顔で同じ服は見分けがつかないと思うけど。
「失礼しましたぁぁ!!!」
私とセラフィスは急いで逃げたのだった。
「セラフィス、まさかの兄弟だったなんて、そんな奇跡があるのね」
「いやそんなの私でも予想外だったよ」
すると目の前にウィットフォードさんがいた。
「あっ、ウィットフォードさんだ~」
「おっと、嬢ちゃん、ここで会うとはな」
「えへへ~」
ウィットフォードさんは屋台でリンゴを買ってその場で食べていた。
「そういえば知ってるか?冒険者は同じ顔が二つあるっていう事」
「ドッペルゲンガー?」
「そうだよ!!擬態魔法で擬態してるわけじゃ……ん?」
ウィットフォードさんが顔を渋くした。
「どうしました?」
「いや……何だろうな」
ウィットフォードさんは鏡を出し、自分の顔を見た。
「うーん、噂をしてたらか」
すると鉄球に電気を流し、人ごみの中に投げこんだ。
「うぎゃぁぁ」
ウィットフォードさんの声が聞こえてきた。
「まさか……」
「ウィットフォードさんって兄弟いないよな?」
「兄や弟はいないが妹はいるぜ」
そして悲鳴が聞こえた場所に行くとウィットフォードさんが倒れていた。
「これって……」
「追っているドッペルゲンガーの事だよね」
「嬢ちゃんたち、こいつを追っているのか?」
「そうですよ」
「なら拘束しておかないとな、だが衛兵がすぐ来るから急いで拘束するんだ」
セラフィスはウィットフォードさんの偽物を触手でぐるぐる巻きにして急いで宿に持って帰った。
「しかし俺の偽物を嬢ちゃんの触手で絡めとられてお持ち帰りされるとは、とっても羨ましいなぁ」
ウィットフォードさんはセラフィスがやったことにあこがれを抱いていたのだった。
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