105話 紫の蝙蝠
私とセラフィスは外に出るとキメラが国民を襲っていた。
「いやぁぁぁ!!!」
「たすけてぇぇぇ!!」
周りからは助けを乞う声や諦める声が聞こえてきた。
「こりゃ二手に分かれても間に合うかどうか……」
それに夜の影響か全く道が見えなかった。
「ニコラたちに協力を願うか?」
「そうだな……スイはキメラを、私はみんなに協力を願う」
そして私は地面に降りるとキメラがこっちに向かってきた。
「いい心構えだ!死にたい奴からかかってこい!!!」
私は剣を構え、奴らに向けた。
(とても気味が悪い格好だな)
私はキメラに向かって剣を振った。
「おらぁ!!!汚いモツを出せぇ!!!」
私はキメラを斬りつけていったが斬っても斬っても全く数が減らなかった。
「全く数が減らないんだけど!?」
キメラが数万、数十万いるような感じだった。その時月の光が徐々に遮られた。
(全く見えなくなった……)
私は魔力でキメラの位置を見ようとした、だがどこからか機械的な動きの音が聞こえてきた。
(なんだ……この音は)
それはプロペラやジェットの音、すると上から誰かが鎌を持って降ってきた。
「一体誰なんだ!?」
すると上から降ってくる人の背中から羽が生えた。
「いやっほぉぉいい!!!」
羽が生えた人は地面スレスレでキメラを鎌で切り刻んでいった。
「一体何なんだよ……」
私は一回も羽の生えた人は見たことは無かった、見覚えが無いのだ。
「あなた、とってもいいね」
すると羽の生えた人はこっちにやってきた。
(とってもかわいい……紫色の服を着て体に見合わないほどの鎌を持ってる……)
すると目の前に来た人は自己紹介をした。
「私はローズ・マリー、一応吸血鬼をやらせてもらってる」
「……なら私、血吸われる!?」
「吸わないよ、それでこの惨状は一体何なの?」
マリーさんは鎌を回しながらキメラの方を見た。
「地下でキメラが生産されてて……」
「へぇ、これは転生者の言葉で言うところのバイオハザードってことね」
そう言うと鎌に滴っている血を舐めた。
「面白いじゃあないの、この状況」
そう言ってマリーさんは羽をはばたかせ、キメラをスパスパと切っていった。
(私もキメラを斬らないといけないと……)
私は剣でキメラを引き続き斬っていく事にしたのだった。
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