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最高層の身分と底辺の魔女【1】

赤い布で覆われた長いテーブル。


使用人数よりも多い椅子。


序列の一番低い席に座り、向かい側に座る二人の姉を見る。


長い黒髪を編んで肩に流す冷静なミステリアスの美をもつ長女・ルドヴィカ。


スッと伸びた切れ長の目元は一度見られると目が離せなくなるほどに魅惑的だ。


服装はいたってシンプルな黒いドレスだが、飾り立てる必要のない静かな美しさであった。


同じく黒い髪を長く伸ばし、切り揃えた前髪をいじるのは次女のビビアナ。


ルドヴィカとは対照的にフリルいっぱいのドレスを身にまとい、頭に大きな黒いリボンをつけている。


丸っこい目に、笑うと八重歯が見える姿はまるで猫のようだった。


二人とも王族にふさわしい見事な黒髪に黒い瞳だ。


魔力に関してはもちろん高く、特に長女のルドヴィカは母・リオナを上回る魔力保有量であった。


目の前に置かれたスープに目もくれず、次女のビビアナが食い気味にエレオノーラに問いをなげかける。


「エレナ、男飼い始めたの!?」


その質問にエレオノーラはパチパチと瞬きを繰り返し、苦笑いする。


「ビビアナお姉さま。飼うだなんて……一緒にはいますが」


「うわ、むりーっ!! 絶対アタシの視界に入れないでよ!?」


首を何度も横に振り、吐きそうだと騒ぎ出す。


ビビアナは潔癖なレベルで男を嫌い、見下している。


かわいいものが大好きで、パーティーでは愛らしい令嬢ハンティングが趣味なほどだ。


小さい子ウサギのような見た目であれば必ずビビアナのお気に入りになる。


人付き合いの点ではどんどん相手にぶつかっていくので、まさに花の中の華である。


「今は部屋にいるのかしら?」


ビビアナに比べて、落ち着いた性格のルドヴィカ。


男嫌いではあるが、むやみに嫌うというわけではなく男の生存本能や生み出した歴史をもって嫌っているようだ。


魔女こそ至高たる存在。


その考えに加え、序列を大切にする真面目さもある。


たとえ魔力では上でも、女王であるリオナを重視する面があった。


「はい、ルドヴィカお姉さま」


「気をつけなさい。男は傍においておくと暴力に走るから。エレナは抵抗出来るほど魔法使えないでしょう?」


「リベルトはそんなことしませんよ。お姉さまもリベルトを見たら男の認識変わりますわ」


「絶対やだぁ! 野蛮で、欲に忠実で、獣みたいな存在よ!? 結界はらないと大変なんだから!」


徹底的な男性否定であるが、魔女はこれが普通である。


エレオノーラが異質なのだ。


そしてこれだけの男批判はすべてエレオノーラを大切に思う家族であるからのものだった。


圧倒的な魔女であるにもかかわらず、二人はエレオノーラを邪険にしない。


むしろとても大切にしてくれていた。


目立った発言はないものの、エレオノーラを侮辱されると睨みつける。


二人の威圧はその場の貴族を黙らせるだけの力があった。

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