閻魔様に誓って
ある地方の町の町議会でのことです
議長「それでは採決をとります。この町域では指切りげんまん嘘ついたら針千本飲ますと宣言して約束してはならないという議案に賛成の諸君の挙手を求めます」
全員が挙手する
議長「全会一致でこの議案は提案通り議決されました」
この議決によりこの町では約束するときに指切りげんまん嘘ついたら針千本飲ますとは言ってはいけなくなりました
「指切りげんまん嘘ついたら針千本飲ます」
何か勘違いしそうなのですがこれは嘘をつかないという約束を破ったらということですね
よくよく考えたら「嘘をつかない」という約束限定なんですよね
全ての約束に有効なように思ってしまいます
この指切りげんまん嘘ついたら針千本飲ますと約束した後に嘘をつくという約束破りをすると具体的には・・・
お互いの小指を絡ませているので指切りとは約束を破ると多分切り落とすのは小指でしょう
げんまんって?約束を破ると拳で1万回叩くぞ!
針千本飲ます、まさに約束破りは針千本飲ますぞ!
被害者が嘘つき者にこの3つの行為をするということですがどれも想像するだけで痛々しいですね
指を切り落とすって現実的に約束を破られた側が相手の指を切り落とすことになります
誰もしたくないですよね?
だいたいが信頼関係の上に成り立った口頭の証拠の残らない個人的契約であるので、約束を破ると民法上の問題は生じるかもしれません
この程度なら警察は民事不介入の立場をとるでしょう
ところが相手の指を切り落としたら犯罪で傷害罪として刑法上の罰則を受けなければならなくなります
こうなると警察も動き、このご時世ですからマスコミにも大々的に取り上げられて、ネット上では炎上して嘘つき者だけでなく被害者まで晒されることになるでしょう
それはつらい・・・・
指切りげんまん・・・した時はこんな一大事になるような約束だったのか?
いや、そんな大層な約束じゃないだろうと?
それがこんな大騒動になるなんて・・・
げんまんも同じく暴力ですね
相手を1万回も殴ればただじゃ済まないでしょう
それも拳でとなると、殴る方もどうにかなることぐらい簡単に想像できますよね
だいたい被害者は約束を破られて心が痛いのに、手まで痛くなるようなことをする意味が解らない
針千本飲ますは被害者が無理やり嘘つき者の口に針を千本入れれば傷害罪、いや殺人の意図があったと思われてもおかしくありません
そしていくらお互いの民事的な契約であっても、相手に目の前で飲むことを強要することも強要罪になります
まず、そんなことを宣言したその契約自体が無効という判断も考えられます
「指切りげんまん嘘ついたら針千本飲ます」
いずれにせよこの約束をすることを認めるというのは、行政としても暴力を暗に認めていることになり、さらに警察も消防も出動する事態になりかねないので、禁止すると議決された訳です
じゃあ、約束する時はどうする?
そこで検討されているのが「閻魔様に誓って」という宣言です
嘘をついたら舌を抜かれると言われますが、行政は関与しなくてすみます
ま、ここでも行政は関与せずに神頼みということなのですよ
ただ、検討するだけでこの定時議会から先送りになりそうな状態らしいです