小さな『最悪』
あっきーじょです、!
投稿遅れて申し訳ございません!
今回のお話も色々と不思議な感じになっております!!
ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しです(*´ω`*)
「………は?」
ついさっきまで歩いていた人が、走っていた車が、ゆらいでいた花が、まるで凍結したかのように動きが止まった。
これ…どういうこと…?
さっきまで聞こえてた騒がしい声も聞こえなくなったし…みんな…一体どうなってるの…?
「確か…、このボタンを押したら時が止まって…、」
私はもう一度目覚ましをストップするボタンを押した。
すると、何事も無かったように、止まっていた人が、車が、急に動き出した。
これは…、一体……。
私は走ってこの時計を買った時計屋に向かった。
しかしだ。その時計屋があった場所に行くと、時計屋は無く、ただの空き地になっていた。
「…は?」
思考が追いつかない。
(待てよ…、もしかしたら最近疲れすぎていて幻覚が見えていたのかも…。電車に乗り遅れちゃうから、先に学校へ行ってしまおう。)
私は現実から目を背け、先に学校へ向かうことにした。
しかしだ。
「やばいッ、、遅刻っ……!」
あと5分でチャイムが鳴る。
校門はもう見えている。見えているのに、足が動かない。
「どうしよう、、っ」
諦めかけていたその時
「あっれー!江月さんじゃーん」
後ろから聞きなれた声がした。
声に驚いて振り向くと、そこにはいつも嫌味を言ってくる玉中さんがいた。
「あっ…、玉中さんっ…。」
ただでさえ学校に行く気力も無いのに、玉中さんと喋ると遅刻どころではなくなってしまう。
「あっれれー、もしかして江月さん、遅刻〜っ!?!?」
…はじまった。最悪の事態だ。
「え、、、いやっ、、」
「あー遅刻なのねーっ、私ぃ、委員会の関係で今外にいるだけだからぁ〜っ、遅刻じゃないんだよね〜」
玉中さんがクスクスと笑う。
「あ、…、あの、急いでるので…っ!」
私が走り出そうとしたら、玉中さんが服のうしろをひっぱった。
「江月さん、足遅いじゃん?だから、走っても無駄なわけ。わかる?」
私が怯えていると、玉中さんは上から見下すように微笑んだ。
「遅刻するんならさぁ〜もっと遅れてくれない?じゃないと面白くないの。」
「…え…?」
すると玉中さんは呆れたような顔で片手をいじりはじめた。
「だからぁー、江月さんがめっちゃ遅れて遅刻してくれれば、クラスで笑いが取れるわけよ。わかる?」
何を言っているか、理解が出来なかった。
と同時に、考えるよりも手が先に動いた。バッグからさっき買った時計を取り出し、目覚ましを鳴らした。
「何っ…、うるさッ…!」
そして目覚ましをストップした。
「…やっぱり。」
さっきと同様に、時が止まっていた。
玉中さんは手で耳を塞いでいる形でぴったり止まっていた。
私はチャンスだと思い、学校へと向かった。