不思議な時計との出会い
はじめまして!
この度初投稿させていただきます『あっきーじょ』と申します。
私は幼い頃から物語を作るのが好きで、今回はこのような形で皆さんに私の作った物語を楽しんで頂けたらなと思いました!
今回のお話は落ちこぼれの女子校生がすごく不思議な体験をする物語です。
感情豊かな作品なので、きっと皆さんも共感できる場面が沢山あると思います!
3日に1回投稿するのでぜひ見に来てください!!
それでは!
聞きなれた目覚ましの音。窓から自分を照らす太陽の光。
いつもと変わらない風景。
私は目覚ましを止めた。
10歳の誕生日プレゼントでお父さんからもらった目覚まし時計。もう使って6年の日々がたつ。思い出の時計だけれどそろそろ新しく目覚まし時計を買い替えたい。
そう思いながらリビングに向かった。
リビングからは甘いフレンチトーストの香りがした。
「もう起きたのね、おはよう。」
エプロンをつけたお母さんが優しい顔でこちらを向く。
「ご飯できてるわよ。机の上においてあるから。」
「…いただきます」
フレンチトーストを口に運ぶ。いつもと変わらない味だった。
私はだらだらと食べ進めながらスマホをいじる。
1番最初に見るのは絵画コンクールの結果サイト。
(江月 マリ…江月 マリ…)
やっぱり、自分の名前はのっていなかった。
先月、絵画コンクールに応募したが、やはり落選していた。
(一応これでも美術部だし、佳作はとれるかと思ってたのにな、、)
私、江月 マリは私立の女子校に通う高校1年生。幼い頃から絵を描くのが好きだったから美術部に入部した。
一応これでも、小さな賞は何回か受賞したことはある。
「…いってきます。」
できるものなら学校になんて行きたくない。友達なんていないし、勉強も運動もできないし、よくいじめられる。
だけど将来はちゃんとした仕事についてお母さんを支えたい。その一心でいつも学校に行っている。
「今日も1日、頑張りますか…。」
すると登校中、ある1つの店が目に止まった。
「『時を止める時計屋』…?なんか変わった名前…、時計売ってるのかな…。」
毎日登校している道に、こんな店あったっけ…。
でも、丁度目覚まし時計を買い替えようとしていたし、ちょっと寄ってみようかな。
私はその、『時を止める時計屋』という店のドアを開けた。
風鈴のような音がなると同時に、その店の店主らしき人がニコニコと不気味な笑顔でこちらを向いた。
「おぉ、いらっしゃい。時計をお求めかい?」
60代後半くらいの、メガネをかけたおじいさんだ。
「あ、はい。目覚まし時計を探していて。」
するとそのおじいさんは、そうかそうかと言って近くの棚に置いてあった時計を持ってきてくれた。
「目覚まし時計ならこれを買うといいですぞ。」
青っぽい緑の、リンゴの形をした可愛らしい時計だった。
「いいですねこれ。デザインもオシャレで可愛いですし。」
私はその時計に心をひかれた。
「そうだろう。では会計してもよろしいかい?」
「あ、はい。ちなみに値段はいくつなんですか?」
私は今、2000円しか持っていない。足りるだろうか。まあ足りなかったとしても、また改めて買いにこればいいだけだけど。
「300円じゃ。」
想像以上に安い値段に私は驚いた。
「300円…?これが…?」
本当に動くのか心配なほど安い値段。でもデザインがすごく可愛いし、動かなかったとしても置物として飾ろうと考えていた。
「あぁ。安いじゃろう。」
おじいさんはそれしか言わなかった。
私は財布から300円を取り出しておじいさんに渡した。
「有難う御座いましした。」
おじいさんはおじぎをして見送ってくれた。
そして店のドアを開いて外に出た。その時、急に我に返った様な感覚がした。そして、登校中だったことをたった今思い出した。
「…は?…私、何買ってんの…。」
たった1つの時計でも、体力のない私には大荷物だ。
なぜ登校中だったことを忘れてしまっていたのか。
とりあえず、歩きながら時計をいじってみる。
「えっと、これが目覚ましをストップするボタンで…?」
チリリリリリリリリ
色々といじっていたら、目覚ましを起動させてしまった。ここら辺は人通りが多いので、大迷惑だ。
慌てて目覚ましをストップするボタンを押した。その時だった。
「………は?」
ついさっきまで歩いていた人が、走っていた車が、ゆらいでいた花が、まるで凍結したかのように動きが止まった。