表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/283

第二話 ③ ~初デート・待ち合わせ場所に天使が居ました~

 第二話 ③


 時刻は九時半。待ち合わせの十時には三十分程時間があった。


 流石にまだ来てないよな。


 と思いながら像の前に到着するも、やはりと言うか当然と言うか彼女の姿は無かった。


 俺はスマホを取りだし、本日の予定を確認する。


 この後は十時半開演の九十分映画を二人で見る。

 その後はお昼ご飯を食べて、近くのゲームセンターで遊ぶ。

 その後は彼女の希望だった洋服店へ行く。

 夕飯前には解散しようと言う話にしたので、洋服店の後は彼女を家まで送る。


 そういうスケジュールだ。


 スマホのメモを閉じ、電子書籍を開こうとした時だった。


「おや!?待ち合わせ場所にものすごいイケメンがいると思ったら、私の彼氏だった件!!」

「あ、朱里さん」


 普段の快活な印象の彼女には少しだけ珍しく、薄いピンク色のワンピースに身を包んだ彼女が目の前に居た。


「おはよう、朱里さん。その服とても似合ってて可愛いね」


 俺は笑顔を浮かべながらしっかりと彼女を褒める。

 この一言をどれだけ早く言えるかが大切なんだと雫から口を酸っぱく言われ続けてきた。

 おかげで女性を褒めるスピードだけは自信があった。


「えへへーありがとう悠斗くん。君もオシャレですごくかっこいいね!!メガネ姿も好きだけど、コンタクトも良いね!!」

「ありがとう。朱里さんにそう言って貰えると嬉しいよ」


 少しだけ照れくさそうにそう返す俺。

 しかし、心の中で盛大ガッツポーズ。


「てかごめんね。ちょっと待たせちゃったかな?」


 そう言って少しだけ申し訳なさそうにする彼女に、


「いや、そんなに待ってないよ。それに、俺が早く来すぎただけだし……」


 時刻はまだ九時四十分。待ち合わせにはまだ二十分もあるし、十分くらいしか待ってない。


「初デートが楽しみ過ぎて早く来すぎちゃったかな」

「それは私も一緒だね!!ねぇねぇ、悠斗くん。せっかくだからそこのカフェで少しお茶しようか?」

「そうだね。上映まではまだ時間もあるし」


 俺がそう言うと、彼女は俺の手を握り


「よし、じゃあ行こう!!」


 と先陣を切って歩き出す。


 こういう所が好きなんだよなぁ。


 と思いながら、少しだけ耳が赤く染った彼女の横顔を微笑みながら眺めていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ