朱里side ④ ~二回目のデートに向けて料理の勉強をしよう!!~
朱里side ④
「悠斗くんと二回目のデートだぁ」
私はスマホを眺めながらニマニマと笑っていた。
『朱里さん、実は水族館のペアチケットを手に入れてね。出処は親父なんだけどさ。もし良かったら今度の日曜日に水族館デートをしたいと思ったんだ』
ふふふ、今度のデートは水族館かぁ
楽しみだなぁ……
イルカでしょー、ペンギンでしょー、あとは……チンアナゴ?
お、女の子がチンとか言うのはちょっとあれかな……
あ、そうだ!!今度のデートでは私がお弁当を用意しようかな!!
水族館だったら、食べ物の持ち込みも多分大丈夫だと思うし!!
料理の経験はあまり無いけど……とりあえず失敗の少なそうなサンドイッチとかを作ろうかなぁ
折角食べてもらうんだから、少しでも美味しいものを食べてもらいたいし!!
悠斗くん、喜んでくれるかなぁ……
『美味しいよ、朱里さん。毎日食べたいくらいだよ』
なんて言ってくれたりして!!
あー今から日曜日が楽しみだな!!
着ていく服は初デートの時に買ったピンクのトップスとデニムのスカートにしよー
あと、初デートで悠斗くんから貰ったブレスレットもつけて……
えへへ、あれは嬉しかったなぁ……
と、今ではこうしてウキウキな気分でデートのことを考えてる私だけど、今日の朝は少し憂鬱だった。
やっぱり、学級委員になれなかったことって、私にとってはすごく大きなことで、いつもの感じにはなかなかなれていなかったみたい。
そういう自分の空元気みたいなのって、昨日の部活の時とかにゆーこちゃんにも気が付かれてたみたい。
でも、朝に悠斗くんと話をして、彼がどれだけ私のために努力を重ねてきたのか、実行委員というポジションを私に用意するために頑張ってくれたのか、そう言うのを全部教えてくれた。
すごく、すごく、すごく……嬉しかった。
学級委員になれなかったことをいつまでも引きずってるのがバカみたい。
悠斗くんはこんなにも私の事を大切に思ってくれてる。
好きでいてくれてる。
それなのに、私はその悠斗くんの好きって気持ちを信じてあげられてなかった……
だって、悠斗くん……かっこいいから
…………。
そういえば……
さ、最近の悠斗くんは女の子と話してること多くない!!??
今日だって彩ちゃんと楽しそうに話してたし!!
黒瀬さんは、まぁ……私もいいよって言ってたけど……
はぁ……私って嫉妬深いのかなぁ……
やだなぁ……嫉妬深い女の子って嫌われそう……
で、でも仕方ないよね!!
それも私!!(悠斗くんに読ませて貰った漫画に描いてあった。最強の自己肯定の言葉!!)
よし!!まずは今度のデートに向けて、少しでも美味しい料理を作れるようにしよう!!
そのためには先ず……
「おかーさーん!!」
「なーにー朱里ー?」
下の階にいるお母さんに声をかける。
「夜遅くにごめんねーちょっと話したいことと、明日から教えて欲しいことがあるからそっち行くねー!!」
「いーわよー」
まずは彼氏が出来たってお母さんに話そう。
今日はお父さん、飲み会だから帰ってこないって言ってたし!!
そして、明日からお母さんにサンドイッチの作り方を教えてもらおう!!
私はベッドから起き上がると、部屋を出て下の階へと向かった。