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大魔法賢者の一双 〜ー天才魔法使いと賢才最強幼馴染の2人ー〜  作者: うわのそら
第一章 Ⅰ 封印されし魔窟 《深淵の洞窟》
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Ep09『光る羽、零れる心根』


ユキトは100以上もの魔物をなぎ払い、有り余る量のアイテムを取得していた。


「我ながら流石にやりすぎた」と自分の行為に一人反省会に浸るユキトであったが、実の所はこれだけの魔物を撃破したと言う実践での実績が心のどこかで喜んでいた。


さあて、これからどうするか……まあ、このまま単純に前に進めば無事出口なんだが、あの開示できなかった文字化けした情報が気になる。


「精霊達今、いいか?」


『ハイ、ユキトサマ、モウイチド、ジョウホウヲ、ヒョウジシマス』


ユキトがまた精霊達を呼び出し、ハックした洞窟の情報を再度確認する。


「……ダメだ、読めない」

視覚できないそれをどうしても、解読する事が出来なかった。


諦めないユキトは洞窟の壁に腰掛けどうすればそれを解読出来るか考え込んだ。


精霊達は何故情報が表示されないと俺が質問した時『拒否された』とそう報告していた。


と、言う事は1度は『それ』を確認しその情報を取得していた。


そうそれは過去形である。ここからは俺の憶測だが、確認した後口封じをされるが如く精霊達の意識はそれにジャックされ情報を俺に開示出来ないようになった。


__これがきっと、情報を1箇所だけ、表示出来ない理由か。


だが、その情報をジャックした『原因』は何者なのか、原因は『魔物』? それとも『術者』……いや、それは無い、か。


はまたピンポイントなメタマジックアイテムが原因__。


ユキトがいくらか考察を立てるが、どれか正解か分からず、今上げた考察の中ではたまた正解が有るのかも分からない。


後はただ真っ直ぐ進めば良いだけの洞窟であったがこの不明な情報のお陰でユキトは慎重にならざるを得ない。


その非公開情報が即死系のトラップだったら命取りにもなりかねない、ここら一面に転がる魂の抜けた骸である骸骨達がそれを証明していた。


「ここまできて、ちょっとした判断のミスでコイツらみたいにはなりたくないな……」

ユキトは無惨に朽ち果てた骸骨を見てそう言った。


この深淵の洞窟では決して、油断は許されなかった。


__……コツコツ、コツ……。


『っは……!? 足音』

とても小さい足音がユキトの耳に入り恐怖心が全身を駆け巡り、寒いくらいに背中に冷や汗をかいた。


心臓が高鳴り鼓動が早くなる。


__コツ……コツ。


『……人なのか!? 』


__スタッ……スタッ。


この洞窟に居るはずの無い生物の足音。

決して魔物ような巨体からは発せられることの無い音。


聞き馴染みがある人間の足音。

確かに感じる聞き馴染みがある革で出来た靴のような音。


この勘が間違えでなければ後ろから響いてくるこの音は絶対に人間の物だ。


__人だったら誰だ。 心配して俺を追ってきたリグレット叔父か? いやそれは絶対無い俺のこの性格を知るリグレット叔父さんならそんな事はしない。


何故ならば叔父さんはプライドの高い俺の性格を理解し、この気持ちを汲み取ってくれいるからだ。


だから、この足音の主が叔父さんという考えは除外される__と言う事は誰だ? 俺と同じこの先のレガリアウォールに用があるダンジョンハンターの類か……。


でもそれも無いであろう。

何故ならばダンジョンハンター達にはダンジョンハンターのお偉い、つまりダンジョンマスターの叔父さんからここへは行くなと、禁止の通達が全ハンター達に回っているからである。


そうすると__一体誰がここに……。


コツ……コツ。


(ヤバい!? もう、そこまで……)


足音が止まる。


確かに背後に何者かの気配を感じ、いっそその正体をその目で確かめる為にユキトは後ろを振り返ろうとする。


__が、身体が動かない。


そう、背後の者から感じる圧倒的な『魔法力』その威圧感にユキトは圧倒され身体全身が振り向くのを拒絶した。


「ハァ……ハァ……」


息が詰まりそうなくらい……胸が苦しい。


だが、見るんだ……。

背後の奴が無害で有れば安心するため……もし敵であったら殺すため、に。


『__なっ!?』


ユキトはその足音の正体を目にし、それを目に映した瞬間目をガバッと見開き衝撃を受ける。


__ひらひらと漆黒の羽をはためかせる少女がそこには居た。


精霊が契約者である魔法使いの魔法力を受け進化したである姿妖精だろう。


半透明で透き通った羽。悲しげな儚い瞳、黒い髪、片方だけ結ばれた三つ編みが嫌でも目立つ。


「……美しい」

ユキトが自分の目でそれをたしかに確認した時、敵か味方かも分からない初対面の相手に思わず、そんな言葉が零れた。


「ふむふむ、久しぶりの侵入者は……貴方ですか、ふーむ」

声の主はユキトがこちらを振り向くと今まで歩いていた地面から離れパタパタと空を浮遊させ、ユキトの方にゆっくり飛んでいき、ユキトの周りをぐるりと1周舐めるように眺め、また口を開く。


「ま、『魔法力』も高いしそれにその頭の回転の速さと運動神経うーむ。 合格点、いーや、それ以上?クスクス……私がパッと見たとこ120点の逸材ッスかね」

と、上から目線で足音の主はユキトへ向けそう言った。


ユキトにはコイツが『合格』やら『逸材』とかまるで俺を勝手に評価しているみたいな言いぶり。


俺の先程までの行動も知っており、こいつに対しての疑問が膨らむ。


その性格と釣り合っていないアホそうな、性格も不気味だ。


美しい虹色の羽根をはためかせた『足音の主』と目が合ってしまい、目を外せなかった。


「ん? どうしたンすか? 私になんかついてるんスか?……ふふ、私のかわいい。かわいい挑戦者(おもちゃ)サン?」

足音の主はこちらを挑発する表情と瞳で艶めかしく、そして不気味な笑みをニヤリと浮かべる。


まるで俺がここに来る事を最初から知っていたかのような瞳で……__。


美しく光羽根奪われる瞳。


__次回。


『挑戦者』



ダンジョン編 そこまで長引きはしません!!ご安心くださいませませ。学園編をちゃんと構想しておりますので!!


明日も同じくらいの時間に時話を更新したい予定です!!

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