Ep37『始まるチーム戦、仕組まれたパーティメンバー』
エルクリウス学院2学年全員によるパーティチーム振り分けが今、開始された。
ケイト先生の説明によると1チームは4人で構成されその中から1人リーダーを決め、団体で行動し迫り来る敵パーティと魔法勝負で己のパーティを勝利へ導けとの事。
「なるほど……面白い」
「では、チーム振り分けを行います。学院側がチームリーダーと選定した生徒をこれから呼びます、呼ばれたら前へ」
「なるほど。先ずはチームのリーダーを決め、そのリーダーにそった戦力でチームを組むのか。ふむ、それなら全チームの戦力も学院側がバランスを取れる」
「それでは次、ユキト・アドモス・フロールン前へ」
(お、呼ばれたか)
「はっ!! 先呼ばれちまったな。じゃあなソフィーまた後で」
「ええ、またあとで試験でね ふふっ」
ソフィーが絶対勝つわよ的な微笑みを浮かべた。
そしてユキトを呼び出した声の主はまさかあの教頭アセンビーだった。
「久しぶりね、ユキト君」
「ちっ……俺のパーティメンバーを決めるのは アンタかよ」
「ふふ、そうよ? すてきな偶然よね?」
「そう言うのはいいから早くメンバーを決めてくれよ」
「ええそうね分かったわ、今から貴方達をこの島の何処かに転送するわね。メンバーにも貴方から説明しておいてね」
「な、ちょっと待て くっ……」
__フォン。
ユキトの頭の上にアセンビーは手を掲げる。
そうすると、パッ!!
ユキトの頭上で何かが強く光ったと思った後、再び違う場所に転送される。
__そして、ユキトは周りを見渡す。
海だ。
ザザーンと耳に響く激しい、波の音。
「これすっげー〜 遠いとこに飛ばされてね? はぁー〜あの教頭ほんっとろくでもねぇことしかしねぇな……」
「フフフ……」
ユキトが飛ばされた後、満足そうに彼女は微笑する。
そう彼女教頭アセンビーが裏から手を回し、ユキトを除くチームメンバー3人を落ちこぼれやチームとしての連携が取れない性格の生徒で固めたのだった。きっとあの時の逆恨みでこうしたのであろう。
(せいぜい苦しむといいわ アドモス家のユキトくん……君のチームメイトは取っておきの子達を用意しておいたからね、ふふ)
「んだよ、ここ……」
「ふぇ……どうして転送なんか…… しかもここ多分島のはじじゃん……僕もうダメだあ……」
「え! え!! 嘘!? 嘘でしょ……あぁありがとうございます女神様…… このシアン女神様からのこのチャンス大変感謝いたしますわ!!」
ユキトと共に転送された生徒が3人見える。
……厄介な俺のファンシアンも一緒か……骨が折れそうだ。
コイツらが俺のチームメイトとなる3人か、ふむ……何奴も此奴も学院で有名な落ちこぼれだ……か、なるほど。
……最悪だ。
__フォオン。
……__ポワッ。
「ふぇええ、なんかユキトさんのチームの人怖い感じの人ばっかっスー〜」
「まあそう言うなアリア。彼らも魔法騎士を目指すこの学院の立派な同胞だ」
「あぁん?? ……てめぇユキトじゃねぇか。なんで俺らこんな所にいンだよ」
「さあ? こっちが聞きたい……しかし久しぶりに会ったと言うのにその態度、変わらないなオーガスタ・ヴィンテ」
「うっせぇなあ……てめぇもその相変わらずな人と違いますよ的オーラ全然変わらねぇじゃねえかよ」
「まあ、違うからな……」
「けっ、減らず口を」
彼の名前はオーガスタ・ヴィンテ。
ヴィンテ家と言う少し名が通っている貴族の子息なのにも関わらず、まるで山賊のようなこの態度、そして特徴的なツンツンの銀髪。そして尖った鋭い三白眼の瞳にギロリとユキトは睨まれる。
彼が何故こんなにも荒々しい性格なのかと言うと、彼は実技だけで入学試験を突破しこの名門学院に入学したからである。
……魔法や身体能力はともかく。そう、彼はとにかく……頭が悪いのである。
こう言った人を下げるような言い方はよくはないが、彼と言う人間を一言で形容するなら、この『頭が悪い』と言う言い方は致し方ない。
そしてまた乱暴な口調でオーガスタが口を開く。
「おいこら俺の話を聞けユキト。なんで俺ら3人お前と一緒に仲良く転送されてんだよ説明しろや」
「俺がチームリーダーに選択された際、教頭からの私怨でお前らと一緒に学院からの説明も受けずにこの場にお前らと一緒に飛ばされてしまったらしい……だから俺達は立派なチームだ」
「はーんそれで俺達はお前のせいでめでたく巻き込まれちまったって訳か、それはまあいい……とにかく魔法をぶっぱなせるならどんなチームでも良いからな……おい、ユキトさっさと戦闘しに行かねぇか?」
「いや、まてオーガスタ。 俺達は4人で一チームだ。ここは戦闘を仕掛ける前に皆で作戦を立てるべきだと俺は思う」
「ったく、そんなめんどくせぇ事……」
「あ、あのぉぅ 僕、……そのぉ 学院随一の知略家のユキト君もいる事ですし作戦は立てた方がいいと……」
ブルブルと震えながらレイミーが恐る恐るオーガスタにそう言う。
「あぁん?」
「ひぃっ……」
『そうですわよ!!』
そんな喧嘩をする2人に面識が無いはずのシアンが割り込み話がめちゃくちゃになる。
『学院一エリートのユキト様に私達ついて行けばそれでいいんです!! 2人は口出ししないでくださるかしら?』
「あぁ? てめぇは誰だよ」
……まあそうなる。
(はぁ、ここは俺がこの場を上手く収めるか)
ユキトは気持ちを切り替え、この場を丸く収める覚悟を決める。
「ははは、シアンも僕と同じチームなんだね嬉しいよ」
「まあ!! ユキト様から話しかけてくださるなんてー〜わたくし一生つ貴方様にいて行きますわよ ひしっ……」
そう言ってユキトの二の腕に抱きつく。
『ふぁあ……シアンさん大胆ッスねー〜見てるこっちが恥ずかしいっすよー〜』
「と、言うわけでこの子含め、俺達はチームだ男子たるもの必要以上に乙女を危険に晒さぬよう心がけ安全に行動しないか?」
「あぁ、確かにそれは言えてるな……分かっただがよぉユキトてめぇが指揮を取るからにはぜってぇこのチームを勝ちへ導けよな? 俺は負けらねぇんだ」
「僕はユキトさんが指揮を取ることは賛成です……はい。ブルブル……」
「ほう、負けられないか……いい言葉だなオーガスタ。 レイミー君も賛成してくれてありがとう」
オーガスタの負けられないという理由が何か気なるところではあり、そして何かを感じたユキトだったが、この場では追求せず、チームの指揮の為再び口を開く。
「皆ありがとう。では行くぞ……」
『さーーっすがユキト様!! いとも簡単にこの場を収めバラバラだったチームを心をひとつに……素敵すぎます!!』
『ひゃっー〜!! ついに始まるスね!! 『魔法試験』が!!』
「ああ、見せてやるよアリア。 俺達チームの『勝利』ってやつを」
今、始まった仕組まれた『魔法試験』落ちこぼれ達を抱え、エリートのユキトはここからどうチームを引っ張り、どう勝利へと導くのか……。
その頃ソフィーはと言うと。
「あれ!? ユキトは……ふふユキトまた厄介事に巻き込まれてるのね……、はぁ……これだと『魔法試験』で再会するのはかなり先になりそうね……頑張ってユキト……」
しゃ!3000文字っ!!!




