Ep31『サキラの木下で、勝利を誓い合う2人』
「ありゃりゃー〜 ユキトサマの幼馴染さんとやーーっとお話できるようになったのにソフィーさんどうしたんすか? おーい」
見た目との激しいギャップにソフィーはやられたのか石のように固まって彼女はその場から動けなくなっていた。
(はぁ、……まあそうだよな。そりゃ、こいつの性格にはソフィーがビックリするのも仕方ない)
ユキトはこの2人の絶妙に微妙な空気感の中。ただ2人を眺めることしか今は出来なかった。……願う事はただ1つ。何でもいいから仲良くしてくれると……俺は助かる、うん。
__そう、この微妙な空気から開放されるからな。
そして、固まっていたソフィーが一時的に閉ざしていた口を再び、開いた。
「……あのその、えーっとアリアちゃん? でいいのかしら」
『ひゃー!名前呼んでくれるんすね そ、そッス、アリアって呼んでくださいっ』
(お、ソフィーのこの反応……悪くないぞ。この2人仲良くなれる?)
ソフィーが見た事の無いキャラなのと、先程のアリアの挨拶にどう反応していいか分からなかっただけなようでソフィーはアリアへと自ら歩み寄る。
「知り合いの妖精は何度か見たけど、こんなにも美しい見た目をした妖精を見るのは初めて…… ねぇ、アリアちゃんこの羽根ちょっと触っていいかしら?」
『えっちょ、、 ひゃあ!!』
アリアの許可を聞いたが、結局ソフィーは先走ってアリアの透き通った漆黒の羽根を許可なく触り出す__相当その美しい羽根に惹かれたのだろう。
「いいな、いいなあ……ねぇ? ユキトアリアちゃん頂戴?」
「ダメだ」
「ケチ……」
ソフィーがアリアにべっとりと抱きつきながらこちらをじぃーっと俺を見つめ、相当無理な冗談を言う。……いやこの目は冗談じゃないな……うん、『マジ』だ。
「あはは、じゃーそろそろ学院だし私はユキト様の中に帰りますじゃ、ソフィーさんまた!!」
「えー!! アリアちゃん、もう帰っちゃうの?」
「ま、また話しましょ。んじゃ!!」
___ヒュン!!
アリアはフワッと消えて俺の精神世界の中にこもってしまう。
「……ソフィー、アリアビックリしてるぞ」
「だって、可愛いんだもん。あーーやっぱり女の子型の妖精はいいな〜ー やっぱりちゃんと人肌に体温あるのねー〜……むぅ、もっと、アリアちゃんにベタつきたかったー……いいなあユキトあーんなに可愛い妖精ゲットしちゃって」
「はいはいそりゃどうも」
__……しまった、忘れてたコイツ、女の子にベタつくのがめっちゃ好きな女だと言うこと、そして妖精や精霊にも関心があるからアリアはコイツに相当刺さったんだろうな……アリアを取られないように警戒しとかないと本気でまずいな……うん、ソフィーならアリアをもので釣ったりしかねない。
と、俺がくだらない勝手で不毛な妄想をしているとソフィーから声がかかる。
「なーーに考えてんの? 行くわよ」
「あ、ああ」
……早く行かないとな。だって今日は待ちに待った、『魔法試験』なんだからな。
「ええそうね、ユキト『魔法決闘』では負けちゃったけど実技試験で勝ちは絶対に譲らないからね?」
「フン、望むところだ……全力でこいソフィー」
2人して見つめ、睨み合いそして同じタイミングで2人は
『「絶対に勝つ」』
と、二人は『サキラ』と言う美しいピンクの花が舞い散る並木道の真ん中でお互いそう自分の勝利を誓い合った。
二人は学院向け2人で走り出した、そうやってきたのだダンジョンでの血のにじむようなサバイバルを生き抜いてきた彼が目標とする学院トップそれを決める試験が始まる。
表立ってソフィーを上回りそれを学院全体に誇示することが出来る唯一の舞台、正真正銘学院の『トップ』を定める『魔法試験』が今、始まる__。
そして2人は学院の正門を目指し、二人歩き出す。
どちらも学院トップになると言う確固たる意思と志を持って。
「さ、行きましょ? ユキト」
「ああ、そうだなソフィー」
本日の更新、間に合いましたあ!