Ep03『想い人、好敵手ソフィア』
特訓の成果で得たこの強大な魔法力を学園トップである幼馴染のソフィーに誇示する為、彼女の居るであろう強大な魔法力を有するエリート学生が集まる特進教室へユキトは足を急がせた。
(久しぶりだな……まあ、一ヶ月程度だが)
エリートのユキトが一ヶ月もの間学院に来ない非常事態は学院中のニュースとなっていた。
「なあ、ユキトの奴丁度今日で一ヶ月も学院に来てないぞ」
「マジか!? あのエリート中のエリートのユキトが? 休学の理由体調不良とかでは無いんだろ? ユキトの奴どうしちゃったんだろう……」
「噂ではあの立ち入り禁止の『深淵の洞窟』に単独で篭ってるとか何とかって……」
「はぁ!? なんでそんな所へ、ユキトの奴本当に何考えてんだ……」
「ねぇ、ソフィアさん君ユキトの幼馴染なんでしょ? なんか知らない?」
クラスでユキトの件について噂をしていた生徒が興味本意で幼馴染の彼女にそう質問した。
「知らないです」
その綺麗な姿勢、表情を一切変えずに彼女はそう即答し質問してきた生徒をあしらう。
「はは、知らないって冷たいなソフィアさん……幼馴染なのに連絡とが取ってないの?」
「ええ、最近は取っていません」
ソフィアは質問を素っ気なく淡々と返えす。
その時だった、噂をすればなんとやらという感じに彼の噂をしたその瞬間一ヶ月の間姿をくらましていたユキトがクラスに姿を現した。
(ソフィー……会いたかったぞ)
クラスの扉を開けるとユキトの目には一ヶ月ぶりに観る幼馴染の顔に真っ先に目に入り視線を離せなくなっていた。
1ヶ月ぶりに見る想い人であり、嫌という程見たその幼馴染顔を見るだけでユキトの鼓動は高鳴り、早まっていく__今すぐにでも教室から連れ出し、以前より成長した自分の力を見せつけたくなるが、それを今はグッと抑え、学院での顔である冷静な自分をスマートに演じる。
「……皆、おはよう」
いつもと変わらない感じでユキトは全体へ向け挨拶をする。
ソフィーと2人きりになれるそのタイミングを伺う為、クラスでは平然を装った。
ユキトが久しぶりに学院に顔を出すとクラス中がガヤガヤと騒ぎ出した。
「ユキト!? マジか!! やっと帰ってきたんだな?」
「え!? ユキト様?」
「噂のあの場所から帰ってきたのかな?」
「私達すっー〜ごい心配してたんですよ!? ユキト様」
「おっ!! ユキトー会いたかったぞお前どこ行ってたんだよこのこのー〜」
「はは、痛いってやめてくれよ……ちょっとね?」
ワラワラと生徒がユキトの周りに集まってくる。
(こいつらの相手はめんどくさいがソフィーの為にも自分の為にもクラスでの人気は保っておくか……)
それから俺は境なく、クラスの生徒達に休学中にあった事を話した。
予想以上に俺の話はウケてクラスは騒がしくなる。
「え!? 嘘でしょ!?『深淵の洞窟』だけじゃなくて あの『レガリアウォール』をも単独で!?」
「あはは、学院の勉強だけじゃ実践経験はあまり積めないから知り合いのダンジョンマスターに頼んで紹介してもらったんだ、一人で行ってみたんだけど何とかなっちゃって」
冷静な口調で淡々とそう語るユキト。
「実践経験が欲しいからって……やり方が無茶苦茶ですよユキト様……お身体大丈夫ですか!?」
そう言ってユキトに好意を持つ言わば俺のファンの子であるシアンがユキトの身体を触り、その瞬間。
「えっ……!? 以前感じた魔法力とは桁違いの魔法力を感じますわ……ユキト様一体どんな特訓を!?」
ユキトの魔法力を逐一チェックするのが日課だった故に以前と比べ何倍もに膨れ上がっている強大な魔法力を疑問に思いそれを疑問に思いシアンは質問する。
「フフっ……鋭いねシアン、今の僕は以前の僕と比べ物にならないくらい魔法力を増幅させたそう、あれを手に入れてから」
「ユキト様……『あれ』とは?」
ソフィーの耳にもシアンとユキトの会話が届きその言葉にソフィーも思わず気になり聞き耳を立てた。
アクティブに頑張って行きたいと思います!!
本作『魔トップ』をどうぞよろしくお願いします!!
次話投稿は書き溜めが有りますので本日20時投稿予定です!!