ネタエッセイ 2021/8/15 リアルパイセンによるなろうテンプレートのアップデート情報 【特に歴史転生系】
注意
ダイレクトマーケティングを含みます
ネタエッセイである。
『現代社会で乙女ゲームの悪役令嬢をするのはちょっと大変3』がオーバーラップノベルスより8/25に出るのにこんなのを書くのは、それだけリアルパイセンが容赦なくぶん殴ってきたからである。
もちろん私はSANチェックに失敗して発狂しているのは言うまでもない。
という訳で、ダイレクトマーケティングも終わったので、発狂している理由を話そう。
アフガニスタンである。
Twitterのそっち界隈では「サイゴン陥落ってこうだったんだなぁ……」と言わしめた国家崩壊の一部始終。これだけでも発狂物なのにある一文が容赦なく私に刺さった。
女性を抑圧した20年前の「悪夢」が再来?「タリバン」なぜこんなにも早く権力掌握できたのか(東洋経済オンライン)
https://news.yahoo.co.jp/articles/c98e2442c73ba5ab0e43d182c6853f4375359e00
『これに対し、タリバンは政権打倒で団結したほか、空軍パイロットを暗殺するなどゲリラ戦術で空軍力を弱体化させ』
こ の 発 想 は な か っ た
いやなにそれ。暗殺って?
アフガン軍の圧倒的な有利条件の航空戦力をパイロットの暗殺で弱体化だと!?
できるのかというかできてしまった所にこの問題のミソがある。
という訳で素人解説をすると、空軍パイロットの暗殺というのはかなり大きな盤面、戦略面だけでなく政治面からの攻撃だったりする。
当たり前だが、現代戦闘というのは空軍力を握っている方が本来は強い。
2020年。アルメニアとアゼルバイジャンとの間で行われたナゴルノ・カラバフ戦争では無人航空ドローンが大活躍したが、今回のこのニュースはそれよりも金が無いゲリラが政府軍を破ったという一点において燦然と評価できる。
政治面からみると、なお強烈に刺さる。
空軍パイロットというのは、欧米先進国のスタンダードである航空機を動かすための知識を習得したパワーエリートの卵たちであり、育成に時間がかかる上に彼らは必然的に欧米先進国の言語と文化を習得した欧米先進国にとって話ができる人材になるはずだった。
ちなみに装備、つまりお値段の面からも金食い虫であり、という事は予算において優遇されることを意味する。
なお、発展途上国のクーデターにおいてかなりの率で空軍将校が絡むのもこんな理由があったりする。
それをタリバンは容赦なく暗殺によって攻撃した。
兵力から戦力にかけて圧倒的だったはずのアフガニスタン国軍は、部族連合の集合体から国民国家の軍隊になる事がついにできずに崩壊した。
それは、この軍隊の中核となるはずだった彼ら空軍将兵が機能していなかったからに他ならない。
アフガニスタンはその手のクラスターには『リアル戦国時代をやっている』で説明がつく地であり、今回のあまりにあっけない崩壊はあえて戦国時代にたとえるならば、実にいい例があるのでご紹介しよう。
武 田 家 滅 亡
である。
大名にとって信頼できる将兵が枯渇し、国人衆たちが見限った結果、哀れ短期間で戦国大名武田家は滅ぶ事になった訳だが、じゃあタリバンって何? と当てはめるとまた都合のいい連中がいたので言ってしまおう。
一 向 一 揆
である。
あまり背景を知らずにニュースになっているから話題にしたいならば、こう返事をしておくといい。
当たらずと雖も遠からずになる。
「ゲームで石山本願寺率いる一向宗が武田家を滅ぼしたようなもの」
その間にある織田家どうなったんだよなんて突っ込みが返ってきたらそいつは素人じゃないと判断してもっと深い話題に入ればいいだろう。
という訳で、このネタエッセイのアップデートの話に入ろう。
そう。
ニ ン ジ ャ
の話である。
リアルパイセンって容赦ないけど、それは等しく作者だけでなく読者にも容赦がないことを意味する。
つまり、戦国歴史転生系において、ニンジャ強すぎ問題ってのがあるが、
「うるせえ!2021年アフガニスタンのタリバンがやりやがったんだよ!!文句あるか!!!」
と読者を作者がぶん殴れるのだ。
具体的に言うと、ご都合主義でもいいのでニンジャを雇っておかないと死ぬ。
はっきりとそういう事例がよりにもよって資料豊富な現代社会において発生してしまった。
だから私がこのネタエッセイを書こうと思った訳である。
ちなみに、戦国期の畿内においては結構暗殺というのはポピュラーだったらしく、有名なのだと足利義輝が三好長慶に暗殺者を送っていたりする。
今回の件でニンジャによる暗殺が、騎馬武者や鉄砲侍にまで広がった。
そう考えると作者側は背筋が凍らないだろうか?
当たり前だけど騎馬武者というのはその地域の名士であり、鉄砲侍というのは明智光秀などが良い例だが戦国期きっての知的エリートである。
つまり、そういう連中は国づくりに転用できる貴重な人材なのだ。
それに目をつけてニンジャによって育成段階で潰す。
これやられると、なろう転生者は本当に詰む。
幼年期から動き出すので、まず信頼できる家臣づくりが大事であり、その家臣たちが潰される事を意味するからだ。
長篠合戦で信頼できる将兵を失って滅亡に転がり落ちていった武田家しかり。
厳島合戦の後で信頼できる名士層からそっぽを向かれて帰る事もできずに腹を切った大内義長しかり。
某島津家に大敗して国人衆離反を招いて滅亡寸前にまで追い詰められた大友家や竜造寺家しかり。
上田原の戦いや砥石崩れで重臣を含む将兵を失いながら立て直して戦国大名になった武田信玄については、私の中でちょっと評価が上がったのはわきに置いておくとして。
松永久秀とか宇喜多直家とか毛利元就とか毛利元就とか毛利元就とか……いかんトラウマが蘇ってきた。
謀将系のニンジャの使い方にまた新しい事例ができたので、ぜひ魅力ある敵役としてこの戦術を使ってみる事をお勧めする。
何を言っているかよくわからない作者は、『信長の野望 蒼天録』を忍者縛りでやってみるといい。
素晴らしいニンジャゲーを体感できるだろう。
なろうにおける歴史転生系がさらに発展し面白くなる事をそこの一員として心から祈っております。
追記
オーバーラップノベルスより8/25に出る『現代社会で乙女ゲームの悪役令嬢をするのはちょっと大変3』は2001年時の話なので、ここアフガニスタンが露骨に出る。
あの時、つまり2001年時点で既に「戦国時代」と言われていたので、私は迷うことなく織田信長の長島本願寺攻めをモチーフにした解決策を提示したのだが……穏健策であるリアルの方がこういう結果が出てしまいなんとも言えないというのが素直な感想である。
知ってる?
この作者のもう一つのトラウマの島津家ってね。
自前でニンジャ抱えていたんだよ。
そのニンジャマスターって多分島津義弘って言うんだよねー。
勝てるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!! (トラウマ再発動しつつ終わる)