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ケモナーの試練の塔!2

「霞、大ニュース! ASO試練の塔第二層開放らしいよ!」


ASOの最新情報を見たのであろう奏が、朝イチで霞に伝える。


「試練の塔……」


以前散々やられまくった苦い経験を持つ霞は試練の塔というコンテンツに対してあまり前向きではない……


「もちろん早速攻略行くよね!」


「あったりまえよ! 今回も目指せ一番のり!」


わけではなかったらしい。目を爛々と輝かせ、今にも行きたいです! というのを全身で表現していた。アプデは既に開始されており、今日の17:00に終わる予定だ。つまり学校から帰りそのままひらけばすぐに攻略を開始できると言うことである。


「それじゃリーフにはーー」


「それは私が連絡しとくね! この前2人でやってた時連絡先交換したんだ」


どうやらいつの間にか交換していたらしく、これからは楽に連絡が取れそうだ。


「そうなんだ、それじゃあ頼んだ!」


ちなみにこの後、奏は補習があったため、帰るのが六時をすぎたらしい。



「ねえ、フロス。私アリスに呼ばれて来たはずなんだけど……肝心の本人はどこに行ったの?」


時刻は午後の5時過ぎ、現在、フロスとリーフはもう一人の仲間であるアリスを待っていた。しかし、彼女は待てど暮らせど来ない。それもそのはず、彼女は現在、学校にて補習を受けているところだ。理由はもちろん赤点、彼女は抜き打ちテストで脅威の0点を取ってしまったのだ。廊下に立たされることこそなかったが、完全下校まで目いっぱい補習を受ける羽目になった。もちろん、普段の授業中に寝ている彼女の自己責任である。


「……ってフロス聞いてる?」


フロスからの返事がまるでないことが気になったリーフは、視線を試練の塔からフロスの方に移す。すると見えたのは野良の獣をもふりながら頬を緩ませている彼女の姿だった。


「……いつの間にそうしてたの!?」


これにはリーフもびっくりである。先ほどまで普通に話していたのだ、それにもかかわらず数十秒目を逸らしただけでこの有様である。


「……はっ! ごめんリーフ! 気がついたらもふってた……」


フロスの発作は平均して3分で収まるのだが今日は早い方だったらしい。一分程たつと、ハッとした表情をして、リーフの方を向いて謝る。ちなみにここまではよくあることだ。ただ一つ違いを挙げるとすれば、そこにアリスがいないことである。


「いや、いいんだけどね? それよりアリスは……?」


「んーとね、補習って言ってたけど……長引いてるのかも。それならさ、ニスクにでも乗って空の旅と洒落込みます?」


そう悪戯っぽい笑みを浮かべてリーフに問いかける。


「……のった!!」


数秒遅れてフロスの意図を察したリーフが空の旅に行く宣言をしたため、ニスクが召喚され、二人は空の旅へと飛び立った。


ーーーーー


ーーー



「二人ともどこいったの!?」


二人が飛び立ってからおよそ15分が経過した頃、試練の塔前にて、大声で人探しをする一人の少女が目撃されたと言う。きっと補習で遅れたために仲間にイタズラを仕掛けられている哀れな子なのだろう……

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