番外:ケモナーのお泊まり会(急遽)
お久しぶりです、またしばらく間が空きそうです。書き溜めてから一気に投稿するため、今書き溜めている最中です
「ねぇ奏……見間違いかな……? わたしにはあの時計が10の部分を指してるように見えるんだけど……」
自分の家で勉強をして、映画を見て、だべっていたはず霞が、何故かベットから目を覚ましたそのすぐ後、震えた声で彼女に声をかける。
「何言ってんのよ霞っ! そんな訳な……い……え?」
霞の言葉で目を覚まして、そして霞の言葉を笑い飛ばし一蹴しようとした奏だったが、時計を見た瞬間、彼女の表情は絶望に切り替わる。
「ど、どどどどうしよう霞っ!! なんでこんな時間になってんの!?」
先程の落ち着いた様子から一転、慌てふためく奏。
「い、いいいっかいお、お落ち着いて!」
そんな奏にさらに慌てふためく霞。まさに負の連鎖である。
「最後に時計確認したのって……確か六時くらいだったよね……?」
彼女らが映画を見終わって時計を確認したのは六時ごろだったはず。ならば何故こんなにも時間が経っているのか。
「……私たち今ベットの上にいたよね……」
答えは簡単。
「寝落ちしてたんだ!」
そう、寝落ちである。しかしそれがわかったところでなんの解決にもならない。
「寝落ちしてたってわかっても……そういえば奏、お母さんから連絡来てないの?」
こう言う場合、大抵は不在着信が来ているものだ。そして例に漏れず奏の携帯にも……
「きてる……何回も……」
きていた。それも一つではなく何個も。
「と、とりあえずかけよっか……泊まること連絡するの忘れてたとでも言っておけば……」
素直に寝てた、といえばいいだけなのだが、なぜか彼女らは嘘をつくことを選択した。
「……あ、もしもしお母さん? うん、私。連絡遅れてごめん、今日ね、霞の家に泊まるつもりだったの忘れて……え? 知ってる? あ……うん、わかった。それじゃあね」
電話をした奏も、電話をきいていた霞も思わず固まる。奏のお母さんが泊まりを知っているはずがない。だってさっき決めたことなんだから。
「……どゆこと?」
二人して首を傾げてお互いを見つめる。
「も、もしかして……お母さんが霞の部屋に盗聴器を……?」
奏の見当違いな予想に、霞は思わず顔を青くする。状況からして盗聴器の方が一番可能性が高いという解を得てしまったのだ。
注釈しておくと、盗聴器が仕掛けられている確率は限りなく低い。ゼロに近いほどだろう。
「あ、霞も奏ちゃんも起きたのー? それなら早くお風呂入っちゃいなさい! ご飯は……こんな時間だけどどうする? 後お布団は適当に出してね」
今度は霞のお母さんの言葉にわ二人揃って首を傾げる。奏の母だけでなく、霞の母も泊まりについて知っていたのだ。もしや部屋に盗聴器が二つ仕掛けられているのではと思ってしまうほどにはおかしい。これは明らかにおかしい。そこで霞は意を決して母に聞くことにした。
「……ねえお母さん、なんで今日泊まるつもりだったってこと知ってるの?」
「え? なんだって……奏ちゃんが自分で言ってたんじゃない。今日泊まっていくって」
「……どう言うこと?」
「遅い時間になるから声かけたら泊まって行くって言ってたからそのまま奏ちゃんのお母さんにも連絡しちゃったんだけど……なんかまずかった?」
母の言葉にようやく謎が解けた。盗聴器とか今考えると馬鹿らしいほどだ。
「あー……ううん、大丈夫、ありがとう! それじゃ奏、せっかくだしお風呂入ってス○ブラしよ! 今日こそ勝つから!」
この後めちゃめちゃメテオされた。