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ケモナーの新エリア探索!

「二層到着!」


フロス、アリス、リーフは三人で同時に二層へと踏み出した。それはさながらポ○モンで一番道路に踏み出す主人公たちのようだった。


「それにしても……いかにも和って感じだね」


三人の目の前には、まるで京の都のような光景が広がっていた。


「舞台が平安とかその辺なんじゃない? それよりさ……早く行こうよ! まだ見たことないもふもふが待ってる気がする……!」


フロスはただただ期待していた。かつての日本が舞台ならば新たなもふもふに出会えると。それは例えば鵺であったり、猫又であったり、九尾の狐であったり。とにかく彼女の心は期待に満ち溢れていたのだ。


「行くって……どこに行けばいいかとか分かってるの?」


リーフに聞かれたその言葉に、フロスは思わず固まった。なぜなら彼女は何も知らないからだ。文字通り何もである。どこに行けば何ができる、何が出てくるなどの事前情報は一切見ずにここまでやってきたのである。


「えっと……あの……何も知りません……」


フロスがそう発したと同時に、リーフは一つため息を吐いた。


「だと思ったよ、大丈夫、きっとアリスが知ってるよ」


「えっ、私!? リーフは知らないの?」


「だって楽しみが減るじゃん!」


「私も知らないんだけど!?」


三人の間に少しの沈黙が流れる。どうやら誰一人として二層の情報は持ってないらしい。


「それじゃあ……探索しよう!」


「「おーっ!」」


それならばと、すぐに探索へと切り替えて三人は一緒に歩き出した。


「……ねぇ……」


「……うん、分かってる」


しばらく歩き、リーフとアリスがようやく異変に気がつく。それに対しフロスはポチをもふるのに夢中で何も気がついていない。


「何もいない?」


そう、モンスターが一体も出てこないのだ。もふもふが出てこないのはもちろんのこと、いかにも平安でみられそうな妖怪なんかも一切いない。ただ森が続いているだけだ。


「……ん? ねぇ、二人とも」


一通りもふもふし終わったのだろう、満足げな表情をして唐突に喋り出す。


「どしたの?」


「私凄いことに気がついたの……」


アリスとリーフはこの先の言葉が予想できた。否、仮に誰でも予想できるだろう。


「モンスターが一体もいない!」


予想通りである。


「うん、それについて今話してたとこだよ!?」


「……リルーっ! みんながいじめてくる!」


居た堪れなくなった彼女は、そう叫んでリルに泣きつき、ついでにまたもふっていた。ちなみに時々顔を上げてチラッ、チラッと視線を二人に向けていた。これは今わかっている情報を話せ、というアピールに他ならないが……


「リーフ、どする?」


無情にもこのアピールは無慈悲な二人組により意味のないものと化した。


「無視!? ひどくない!?」


それすらも無視されたフロスはさらに憤慨する。


「「ちょっと静かにしてて、今考えるから」」


「……二人とも酷い!」


どうやら不貞腐れてしまったらしい。


「アリス、フロスはいいの?」


「大丈夫だよ、10分も経てば治るから。それよりどする……? やっぱ街に行くべきかな?」


「んー……街だろうねー」


街とは最初に見かけた古き日本を彷彿とさせる都(?)のことである。


それじゃあった行こっか。


一応の目的地を決めた二人は一緒に街の方向に足をすすめた。不貞腐れていたフロスも一応はついてきている形である。


とてつもなく遅筆で申し訳ないです、リアルが色々と忙しくこのような形になっています……


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