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ケモナーの第二層解放!4

二人が放った炎が一つとなり、大きな不死鳥の形を成して生首へと襲いかかる。


「【|火矢《ファイヤーアロー】! 【氷矢(フロストアロー)】!」


動くことが出来ない生首は、避けることもできずに炎を喰らう。そして生首の視界が遮られたその瞬間、リーフも弓矢を放ち、更なるダメージを与えた。


「うそ……全く効いてないんだけど!?」


しかしどうだろう、減少したはずのヒットポイントは即座に回復し、一気にほぼ全快まで持っていかれてしまった。正確には全く効いていない訳では無いのだろう。ほんの少しだが減ってはいるのだ。しかし多量の攻撃を加えた上でのダメージは精々0.5割程度。攻略には確実に時間がかかるだろう。何か弱点があるはずだ。それを探さなければまず話にならない。


「フロスちゃん、どうする?」


ウィズもなにかしらの弱点があることには気が付いているのだろう。しかしその弱点がなにかまではわかっていない。


「そうですね……ウィズさんかレインさんのどっちか広範囲攻撃とかって持ってますか?」

「広範囲攻撃? それならレインが持ってるけど」


そう言ってウィズはレインの方を見る。ウィズの視線に、レインはこくりとうなずいた。


「それならあいつを全体的に攻撃してみてほしいです。もしかしたら弱点を守るかもしれないので。ウィズさんとリーフはどこを守るか見といてください。さっき私が使った攻撃は、首全体を覆い隠しちゃったので見えませんでした」


先ほど平清道について説明しようとした際のアホなフロスが一気に頼もしくなったのを見て、ウィズは感心し、フロスへの評価を上向きに修正した。


「分かったわ、それじゃあ……リーフちゃんはそっちでそのまま、私は向こうに行ってみるわね」


そういうと、ウィズは誰もいない左側へと向かっていき、どこを守っているのかを見れる位置に立つ。もちろんその時にくる攻撃をいなしながらだ。


「レイン頼んだよ!」


その言葉を合図に、レインは自分の持っていた杖を生首に向けて構える。


「喰らえ! 【暴風の刃ランケア・オブ・ストーム】!」


全てを斬り裂く形のない刃が、平清道の生首に襲い掛かる。もちろん避けることも叶わない生首は、その全てを大きな顔面で持って受けた。しかし予想通り、清道の生首はHPをほぼ全快まで持っていく。しかし二人ーー否、三人は確かに見た。生首は確かに殆どの刃を、ガードもせずにその顔で持って受けていた。しかし、周りに浮いていた刀は全てある一点を守っていたのだ。それは額である。

 平清道は処刑されていない、弓矢で額を撃たれあっさりと戦死したのだ。この話を知っているものならばある程度の予測を立てて、まず真っ先に額を狙うだろう。しかし彼女らは知らなかった。と言うならば誤認していたのだ。平清道は処刑されたのだと、その恨みから怨霊になったのだと。故にこの結論に至るまでだいぶ時間がかかった。


ーーあいつは額が弱点だ!


四人全員の思考が完全に一致した。


「【穿撃(はげき)】!」


ある者は弓を構えそして放ち、ボスの弱点である額を打ち抜こうとする。


「【槍撃スラスト・オブ・スピア】!」


ある者は槍を構え、そのまま額を貫こうとする。


「【刃撃(ランケアショット)】!」


ある者は魔法を使い額を打ち抜こうとする。


「【召喚(サモン) リル】! リル行くよ!」


またある者は己の愛するもふもふを召喚し、ボスの額を引っ掻こうとする。

 

それぞれ攻撃の仕方は違っており、共通していたのはただ一つ。その全てが敵を倒さんとする確かな殺意を孕んでいた事だけだ。

 弓の攻撃が一つ目の日本刀を破壊する。槍の攻撃が二つ目の日本刀を破壊する。魔法の攻撃が三つ目の日本刀を破壊する。そしてもふもふの攻撃がボスの額を確かに刈り取った。


「やった!?」


皆一斉に声を上げて、叫ぶボスを眺めた。やがて叫び声も聞こえなくなり、平清道の首は完全にその姿を消した。


四人は第二層へと進む権利を手に入れたのだ!

次は二層編書き終えてからの投稿になりますのでいつになるかわかりません

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― 新着の感想 ―
[一言] 次回はかなり離れそうですが楽しみに待ってますよー 通知もつけて完璧な待ち体勢
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