ケモナーの第二層解放!1
「リーフおはよー!」
テスト終わりの土曜日、フロスは朝からASOにダイブしていた。少し遠くにいた白銀色の長い髪を持つ少女、リーフを見つけフロスは小さな手を大きく振る。
「お、おはよ! 今日から第二層解放だけど、第二層は行くの?」
フロスに気がついたリーフは小走りで
「んー……できれば行きたいかな」
「それじゃあ……ってフロス、アリスはどうしたの?」
リーフはフロスの近くに来てようやく気がついた。普段は一緒にいるハッピーセットのようなフロスとアリスが一緒にいないのだ。
「ふっ……アリスは置いてきたの。この先の戦いには着いて来られないと思うから」
キメ顔をしながらフロスは腕を組んで語る。
「……何言ってるの?」
そんな世迷言を言うフロスにリーフは心底困惑した。
「冗談冗談! アリスは今日補修だから来れないんじゃない?」
「着いて行けなかったのは勉強の方なんだね、それじゃあどうする?」
アリスがいないことを確認したリーフは改めてどうするのか話す事にした。
「んー……どする?」
「とりあえず一回行ってみる? やっといたほうがいいだろうし」
どうやらリーフは一度行ってみたいらしい。
「そだね、それじゃあ第一層ボス退治……行ってみよう!」
「おーっ!」
二人は掛け声で持って気合を入れ、意気揚々と第一層のボスを倒しに向かった。
◆
「……洞窟?」
「とりあえず行こ! 召喚リル!」
洞窟の前まできたフロスはリルを召喚し、顔を擦り付けてからリルの背中に乗る。
「ほら、リーフも乗って!」
「私も!? いいよ、私は歩いてくから」
「いいから乗るよ!」
「大丈夫だから、一人でモフモフ堪能してなよ」
「……リル、やっちゃえ」
リーフの言葉を聞いたフロスは不穏な指示をリルに出した。
「……え? ちょっと……何言ってるの?」
「リル、リーフを乗っけるよ!」
指示を聞いた瞬間、リルはリーフを咥えて、上に投げる。
「ちょっ!? いやああぁああ!!」
そしてリーフが落下するところへと入り込み、彼女を背中で受け止める。
「これでよしっ! それじゃあリーフ……これつけてっ!」
そう言って取り出すはいつかのクエストで手に入れたケモミミ。リーフを受け止めた瞬間に、即座に彼女の耳へと装着する。すると耳は彼女の髪に合うように、色を変質させ、綺麗な白銀色になった。
「何つけたのーーってちょっとやめてっ!? 私をモフモフしないで!?」
よくアリスにもやる手法だ。スキルに修正が入る前はポチをモフっていたのだが、修正後は2モフ同時に出さなくなってしまった。そこでケモミミである。一人でやっている時は自分をモフっているのだが、それでは少しばかり虚しいため、他人をモフる事にしたのだ。普段はいるはずのアリスが居ないためリーフをモフっている。彼女からしたら飛んだとばっちりだ。
「矛先を私にまで向けないでくれない!?」
くすぐったさからか少しだけ頬を朱に染めたリーフが振り返り大きな声で叫ぶ。
「まあまあいいじゃん? とりあえず……今はモフモフになれ!」
「これちょっとくすぐったいから……」
「私と二人きりになったリーフの運が悪かったってことでっ!」
「はぁ……もういいよ。お好きにどうぞ?」
全てを諦め、彼女は大人しくモフられることを選択する。しかしどうやらそれが功を奏したらしい。
「ウェルカムはちょっと……」
フロスは人の場合において、抵抗されている上でモフるのが好きらしい。故にウェルカムで来られると少々モフるな気がなくなるのだ。
(……これはアリスと共有しとこ)
以降、しばらくはウェルカムで来られたため、二人をモフる気にはなれなかったらしい。
全統プレで体力が極限まで減ってるので今回は少ないです。
感想、ブクマ、評価は励みになりますので是非是非お願いします




