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ケモナーの新たな仲間!終

「そうと決まれば……アリス! ちょっと協力して!」

「別にいいけど……何するの?」

「ちょっとイイコトしようかな……ってね」


そう言って艶かしく笑うフロス。そんなフロスにアリスの表情は少しだけ引き攣っていた。


「なんか言い方がえっちなんだけど……そういう趣味? ……ってああ、そういう趣味か」

「何勘違いしてるの!? 別にあの鳥さんとえっちなことするわけじゃないからね!?」

「大丈夫だよ? 私はそういうのに偏見ないから気にしないでね?」

「変な気遣いいらないから! というか流石にそこまでは考えて……ない……と思う……」

「何でそこで自信なくなってるのさ、まあいいけど……ところで何する気?」


そう聞いてはみたものの、アリスにはおおよその検討がついていた。


「ふふん……聞いて驚け! 私は今からあの不死鳥を仲間にするのだーっ!」

「やっぱり、頑張ってね」

「反応薄!?」

「それで? 私は何すればいいの?」

「とりあえず少しだけHP削って欲しいなって……」

「その心は?」


ケモナーであるはずのフロスがモフモフにダメージを与えるなど……と、アリスは自分の耳を疑いつつも言葉の真意を聞くことにした。


「いやーね? ダメージを与えたり状態異常かけたらきたら捕まえやすいっていうのは定石じゃん?」

「そのために好きなモフモフを傷つけるの?」

「このままだとリルとかバスク、もしかしたらポチがやられちゃうかもしれない……この子達を守る為にも私は心を鬼にするのよ! どんなに私自身きついことをしたとしてもこの子達は私が守らないと行けないのよっ! それが母親ってもんでしょ?」

「いつからあんたは親になったんだ、まあいいよ、それじゃあ私も協力させてもらうっ! そのかわり飛ぶ時は乗せてよね!」


アリスもフロスもすでに捕まえた気でいるらしい。100%勝つ気概で臨まなければ勝てるものも負けてしまうということを二人とも理解していた。アリスは諦めかけていたがそれは気にしなくてもいいだろう。


「【水鉄砲(アクアリリーシング)】! っよし! 私のは吸収されない!」


アリスが魔法を放つがリルやバスクのように吸収されることはなかった。


「フロス、どんくらい削ればいいの?」

「ごめん! 後もう……すこ……し……」


アリスの方を見て返事をするフロス、しかしその先に広がっているものを見た瞬間に、身体が硬直してしまった。大きかったのだ。アリスの胸も大きいがフロスが目を引かれたのはそこではなく、不死鳥が上に現界させている火球が太陽の如く大きくなっており、メラメラと輝いていた。


「アリス……急がないとまずいかも……!」


しかしすぐに切り替えて準備を早める。


「もう一発! 【水撃(アクアインパクト)】! フロス! もういける?」 

「もういいよっ! リルっ! 行くぞーっ!」


持っていたきびだんごを全て手に握ってリルに跨る。リルは遠吠えを一つだけしてものすごいスピードで突進していった。

 そんなリルを撃ち落とさんとブリリアントフェニックスも吠えて、口を開けて何かを発射する準備を行う。しかしそれこそがフロスの狙いであったのだ。


「よっし! いっけぇーーっ!!」


手に握りしめたきびだんごを全てブリリアントフェニックスの口に、喉の奥まで押し込み飲み込ませる。

 ごくんと飲み込んだ瞬間、ブリリアントフェニックスは苦しそうに声を上げて、そして今度は炎とならずに消えていった。そして先ほどまでブリリアントフェニックスがいた場所には宝箱が静かに置かれていた。


「やっ……た?」


未だに倒したとは信じられないアリスがフロスと目を見合わせる。


「やった……私たち勝ったんだよ!」


そして勝ったとしっかり確認した後に、お互い抱きつきあって勝利の喜びを分かち合った。


「よしっ! それじゃ宝箱開けよっ!」


今回はじゃんけんの結果、フロスが開けることになったらしい。リルからゲットした宝箱よりも大きな宝箱を、二人揃って目を輝かせながらゆっくりと開けていく。


『装備【不死鳥の羽衣】を手に入れました』


『装備【不壊剣デュランダル】を手に入れました』


『装備【不壊杖(ふかいじょう)ディアラソーニャ】を入手しました』


『装備【不死鳥の靴】を手に入れました』


『装備【不死鳥の冠羽(かんう)】を手に入れました』


「……どうやって分配する?」

「私は杖だけで十分だよ? もともとアリスの装備を取りに来たんだし。それにニスクも手に入れたし!」

「ニスク?」

「うん! フェニックスから取ったんだ!」

「意外といいじゃない、それとフロス、ありがとね? 付き合ってくれて」

「いいのいいのっ! 私たちの仲でしょ?」

「それもそっか! それじゃあ今度は私のこともどんどん頼りなさい!」

「頼りにしてるっ!」


ボスを倒し、すっかり気の抜けた二人は笑い合いながらゆっくりと扉の方へ足を進めダンジョンを出ていった。余談だが召喚できるようになった瞬間にニスクを呼んで即座に二人で飛んだらしい。

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