表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/75

ケモナーの決着!6

「【狙撃ッ】アリスお願い!」


アリスが登場と同時に一撃を加えたため、次はリーフの番だ。彼女は矢を番え、そしてスカル・センチピードへと一直線に放つ。


「ふしゃーっ!」


矢を喰らったスカル・センチピードはどこから出すのか分からない声を出して、苦しみながらもリーフを威嚇する。


「まっかせて! 【スラッシュ!】」


矢を喰らった瞬間、スカル・センチピードはその瞳にリーフを映す。しかしその瞬間、既にアリスがその足元へと潜り込んでいた。そしてそのまま【スラッシュ】を放ち、スカル・センチピードへとダメージを与える。


「次! フロスお願い!」


ボスを攻撃したアリスはスキルの終了と同時に足元から離れ、被弾しないように立ち回り、そのままフロスへと指示を出した。


「任せなさい! リル頼んだよ!」

「ぎゃうっ!」


今か今かと攻撃する瞬間を待ち望んでいたリルは、フロスからの指示を受けた瞬間にボスへと飛びかかり、そして引っ掻いた。引っ掻いたと言っても猫に引っ掻かれるような生易しいものではない。その巨大な爪から叩き出される強大な一撃は肉を大きく抉り、そして骨まで傷つける。硬い骨を持つスカル・センチピードの防御を貫くほどの攻撃力を持っていたのだ。


「まだ全然減ってない……アリス! 頼んだよ!」


HPを全然削れていないことにフロスは落胆し、しかしすぐに切り替えてアリスへとバトンを繋ぐ。この1サイクルで与えられるダメージはアリスがスラッシュを使わなかった場合、HP全体の2%、そして1サイクル要する時間はおよそ10秒だ。全損を狙うのなら要する時間は500秒、分にして8分と20秒ほど。今まででは時間が足りずに勝つことが出来なかったのだ。しかし今回の作戦は少し今までとは異なる。物理攻撃にて与えるダメージは全体の50%、つまり半分の4分と10秒ほどでミッション達成だ。そこからフロスとアリスが同時に魔法攻撃を放つのに要する時間は5秒を切る。かかる時間は合計4分と15秒ほどだ。正確には測っていないが時間制限でギミックが発動するまではおよそ5分、この情報は3人で共有していたため、今回は勝てると皆考えていたのだ。


「はぁっ! お願いリーフ!」


まだスラッシュのクールタイムは終わっていない。よってアリスは通常攻撃でスカル・センチピードへと攻撃を加える。スキルを使った場合に比べると些か威力は落ちるが問題はない。もともとスキルなしで計算していたのだ。【スラッシュ】を一切使わずにやったとしても半分までならば時間内に削り切れる。


「任せて! 【狙撃】は無理だけど……アーチャー舐めんな!」


再び矢を番え、そして今度はスキルを使わずに矢を放つ。スキル【狙撃】は必中である事に対し、自分で放つ矢は本人の技量によるものだ。しかし弓を扱うというのはそう簡単なことではない。素人が放てば真っ直ぐ飛ばすと言うこともままならないだろう。ゲーム内である程度扱いやすくなってはいても難しいものなのだ。そこでスキルやジョブ、またアイテムの登場である。

 例えばリーフだ。彼女の場合磁力弓(マグネットボウ)を使うことにより、必中となっている。磁力弓(マグネットボウ)で番えた矢は磁気を纏い、そしてそれと同時に狙った相手にも磁気を与える。こうして磁力により相手へと矢が引き寄せられ、結果として必中を誇っているのだ。しかし今回は磁力弓(マグネットボウ)の効果は発動していない。もしかすると魔法攻撃扱いとなり、ギミックを踏んでしまうかもしれないからだ。

 つまり今現在リーフにかかっている補正はジョブ効果の命中率3倍のみ。元がとてつもなく低いのだ。命中率を3倍にしたところで当たることはない。


「やっば……! 外した! フロス!」


リーフが外した段階で最後に攻撃したのはアリスという判定になる。つまりアリスは攻撃できず、そしてリーフもまだ狙撃のクールタイムが終わっていないので当たらない確率が高い。従って次に攻撃できるのはフロスのみとなるのだ。リーフは瞬時にそう判断し、フロスに委ねた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ