閑話 ケモナーの出会い!2
この話も少し暗い内容となってます、苦手な方はブラバを推奨します。本編とはそこまで関係ないです。
「霞、やっぱり私には話しかけない方が……」
翌日から、奏へのいじめは少なくなり、代わりに霞がいじめられるようになっていた。
「もー、またそう言うこと言う! 私がやりたくてやってることだからいいの! それとも私と話すのはいや?」
「そ、そんなことないっ!そんなことないけど……日に日に怪我増えてってるじゃん」
「奏は気にしなくていいの! 怪我はしても死にはしないんだしさ、それより奏と話せなくなった方が私精神的にキツくなって死んじゃうかもよ? それにあの……誰だっけ、名前忘れちゃった、とにかくあの人に思いっきり言いたいこと言っちゃったから今更だよ!」
「うん……ありがとね……!」
霞の気遣い(?)に奏は礼を言う。
「気にしないでって言ってんの。あ! ワンワ……犬だ!」
犬を見つけ、霞は猛スピードで触りに行く。
「よしよし! おやつ食べる?」
おやつという言葉に反応して、犬が尻尾を振り、頭を霞の足に擦り付ける。
「すごい人間慣れしてるんだね、その犬」
「可愛いよね! 飼い犬かな?」
二人で犬を触りながら話していると奥の方から一人の女性が走ってくる。
「すみません! 捕まえてくれてありがとうございます!」
飼い主なのだろう、犬は女性を見つけた途端、尻尾を振って飛びついていった。
「あ……ワ……犬が……」
犬が手元から離れたことで悲しそうな表情を醸し出す。
「ねぇ、ずっと気になってたんだけどさ、霞犬のことワンワンって呼んでた? なんか無理矢理呼び方治してるように感じるんだけど……というか治せてないし」
「う……ん、こっち来るまではずっとワンワンだのモフモフだのって呼んでたんだよね……ただ、すごく変だってからかわれることが多かったから治そうとしてるんだけど……染み付いちゃってるわこれ!」
「無理に治さなくてもいいんじゃない?」
「奏は気にしない……?」
「私はそんなこといちいち気にしないよ」
「そっか……! それならもう治さなくていいや! ありがとね!」
霞にとって、唯一自分の趣味を暴露できる人物ができたようだ。
◆
「いっ……!?」
自分の癖を完全に暴露した翌日、霞は再び階段から突き落とされた。その時の手のつき方が悪かったらしく、ひどく痛む。
「霞!? 大丈夫!?」
タイミング悪く奏が来てしまったようだ。
「今日は随分と早いんだね……」
痛みからか目に涙を溜めて、奏を見ないよう目を伏せる。
「そんなこと言ってる場合じゃないよ! 早く保健室行かないと!」
奏は霞の肩を支えて、ゆっくり保健室へと向かっていく。
「見られたくなかったな……泣いてるところなんて……あれだけ啖呵切っといてこの始末……すごいダサいよね」
「ダサくなんかない! 霞は私のヒーローなんだから……! ずっと一人だった私に話しかけてくれて友達になってくれて……すごい嬉しかったんだ。だから今度は私が霞を助ける番だよ! 泣いたっていいんだよ? 今度は私が貴女のヒーローになる番だからさ!」
「うん……ありがとね」
付き添われ保健室までたどり着く。
「失礼します」
何故か腕が上がらない霞の代わりに奏が扉をノックし、ドアを開ける。
「あら、どうしたの?」
美人な保健室の先生が優しく出迎えてくれた。
「ちょっと階段から落ちちゃって……腕が痛いです」
そういい、赤黒く変色した腕を見せる。
「……病院にいきましょうか」
「ですよね」
見せた瞬間、そう言われた。奏も納得しているらしい。
「それじゃあ先生が送ってくから……春野さんは教室に戻っていいわよ」
「あ、あの……霞が階段から落ちたのは私のせいでもあるんです……だから……私も行っていいですか?」
「……詳しくは聞かないわ、早退扱いになっちゃうけどそれでもいいの?」
「はい!」
「……分かった、それじゃあ先生には私から言っておくから。行きましょうか」
ちなみに、腕はしっかりと折れていたそうだ。
本編が全然書けない……筆が進まないのです……




