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ケモナーの月例大会!4

「ほな、構えろ。始めんで」


アーボが己の獲物である双剣を構える。


「【融合】リル、バスク、ポチ」


フロスがそう呟くと彼女のそばにいた魔物達が光になりフロスへと向かっていく。


「行きますよーっ! 【クリスタルショット!】」


光を取り込んですぐに魔法を放つ。


「うおっ!? いきなり何すんだ!?」

「いや……一応アーボさんって敵ですよね?」


敵を攻撃しただけなのに怒られてしまったフロスは大層困惑する。


「いやせやけど……もうちょっとなんか準備とか前振りとかあるものちゃうん?」

「それもそうですね……それじゃあ【クリスタルフォール】」


続けて別の魔法を発動する。すると美しいダイヤモンドダストが辺り一体に降り注ぐ。


「なんや?performanceか?」

「無駄に発音いいですね……ただのパフォーマンスじゃないですよ【クリスタルショット!】氷魔法の威力増加です!」


再び氷魔法を放つ。しかしまたもや紙一重で避けられてしまった。


「っ……! オノレは鬼か!? あんな馬鹿でかいもん撃ち込みやがって!! 当たったらどんすんだ!?」

「いや当たっていいんですよ、勝負なんだから。【クリスタルエリア】」


フロスを中心に氷が拡がっていく。拡がった氷はアーボ三兄弟の足元まで達し、彼らの行動を制限する。


「ふふふ……フハハハハ! どうだ? 動けず一方的にやられる気持ちは!」

「フロス……完全に魔王になりきってるね……」

「くっ……! 殺せ!」


大きく笑うフロスを睨みつけながらアーボは叫ぶ。


「「女騎士かあんたは」」


くっころ騎士にイーボとウーボが同時にツッコミを入れた。


「あ、抜けた」


ツッコみを無視しつつ、自分の武器を氷に強く叩きつけたアーボは氷を割り、抜け出すことに成功した。


「な……っ! 我が拘束を解いただと……!?」

「ぬかったな魔王よ! 最後に勝つのは必ず正義だ!」

「フハハ……最後に勝つのは必ず正義……? 違う! 勝った方が正義なんだ! 勝てば官軍、負ければ賊軍なんだよ。それに……その程度で勝ったつもりか?」


フロスが不敵な笑みを浮かべる。


「【ヴェノムフィールド】【ヴェノムバイト】【ヴェノムミスト】」


立て続けに魔法を発動させる。先程の氷ではなく毒の攻撃を。


「ちょっ!? 毒は聞いてへんて!」


毒耐性を持っていなかったアーボには非常に効果的な攻撃だ。


「もう諦めたらどうですか?」


毒の霧が止み、視界が開ける。


「はは……どうやら倒しきれへんかったみたいやな……この勝負俺の勝ちや!」

「……あの攻撃どうやって耐えたんですか? よほど高レベルでない限りは大体倒せると思うんですけど……」


自分にプラスでモフモフ達のステータス。これだけの数字で以って攻撃すれば大体倒せると思っていたフロスは静かにアーボへ問う。


「【不滅(イモータル)】って言うスキルさ。HP1で堪えた言うわけや。その際状態異常は全て解除される。これこそわいが今生き残ってるカラクリや。どや?すごいやろ!」

「え……それじゃあ残りHPは1なんですか?」

「せや!」


アーボは元気よく答える。


「イーボさんとウーボさんはすでにリスポーン地点にいらっしゃると思うんですけど……仲間もおらずHP1でどうするつもりなんですか?」

「はっ……頼む! わいに勝たせてくれ!」

「ごめんなさい無理です」


アーボの頼みは無慈悲に散り行き、彼の体はリスポーン地点へと戻された。


「ちょっとフロス! あそこで範囲攻撃は酷くない!? 私たちを巻き込まないでよ!」


アーボをリスポーン地点へと送り返した後、アリスが怒っていた。


「いやあの二人も敵だよね? 一応」

「あんた達について行けなかったから3人で話してたの! そしたら急に目の前見えなくなって次に視界が回復したら二人とも消えてるんだもん!」


話に置いていかれた3人は3人で仲良く談笑していたようだ。そんな最中、いきなり毒に覆われ話が遮られるだけでなく目の前の二人が消されている、この状況で怒らない人間は居ないだろう。


「ごめんって! 今度は置いていかないようにするからさ!」

「正直私そんなにドラゴンカプセル見たことないの。そう言うんだったらもうあのノリやめないと無理だよ?」


(フロスにとって)衝撃の事実が、アリスの口から発せられる。


「ええ!? ドラゴンカプセル見てないの!? ドラゴンカプセルは義務教育って言ったじゃん! まあいいや、今度一緒に一から見ようね!」

「ごめん、正直見る気ない。そんなことより早く敵を倒しに行こ! このままじゃ一位取れないよ?」

「ええ? 正直かなり倒したと思うんだけど……もう大丈夫な気がしてきたよ?」


おそらく撃破人数はすでに4桁を突破しているだろう。フロスは安心しきっている。


『はーい! 試合中ですが失礼しまーす! 途中経過の報告に参りました!』


突如二人の前にスクリーンが表示された。そこには始まる前にルール説明をしてくれたやつが映っている。


『一位! カイン&プロメテウス! ポイント6422!

二位! リーフ! ポイント6183!

三位! レイン&ウィズ! ポイント5625!

四位! フロス&アリス! ポイント5608!

五位! リーナ&アレン! ポイント5230!

 さあさあ、もちろんただ順位を発表した訳ではありませんよ! 今発表された五組のうちどれかを倒すと……なんと! ポイントの1/4が倒したプレイヤーに入ります! 一発逆転下克上を狙うもよし! 残り時間コツコツとポイントを稼ぐもよし! さあ、どんどん奮ってもりあげていきましょう!』


そう一通り言いたいことを言い終わるとスクリーンは閉じられた。


「アリス……急いで狩りに行こう!」

「おっけーっ! 目指せ一位!」


二人はリルとバスクにそれぞれ乗り、再びフィールドへと繰り出した!


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