ケモナーのとある日常!
今回はゲームの中ではないです。文字数稼ぎとか言わないで()
「霞! なんで昨日急に落ちたの? あの後LIME送ったのに全然既読つかなかったし……もしかして本当に寝たの?」
朝、奏に学校で会うと、早速昨日のことを聞かれる。
「いい? 私が何かするって言ったらそれは絶対なのよ。私が寝るって言ったら私は寝るの。つまり質問の答えはYESよ」
「何言ってんの? キャラ変した?」
「いやー、実は昨日落ちた後に見たアニメにあったセリフなんだよね! 気に入っちゃった!」
真剣な顔から一転、霞は表情を崩して朗らかに笑う。
「聞いたことあると思ったらそういうことね、思い出した! 確か……あれ、何だっけ」
「名前は忘れちゃった、シベリアプライムの履歴に残ってるはずだから帰ったら確認してみるよ。……あ、運動着忘れちゃった……貸して?」
「またなの!? ほんとに何回目よ……」
「お願い……! ジュース奢るから!」
呆れている奏に全力で頼み込む霞。
「もう……最後だからね?」
「ありがとう! 大好き!!」
奏に全力で抱きつく霞。
「ちょっ! 暑苦しいから離れて!」
「ごめんごめん、ジュース何がいい?」
抱きつき攻撃をやめてそのまま次の話題へ移る。
「え? いやいや、ジュースなんていいよ! 運動着貸しただけでそんなの貰えないって!」
「そう言ってくれるのはありがたいけど……さっきも言ったよね? いい? 私が何かするって言ったらそれは絶対だって。つまり私が奢るって言ったらそれは絶対なの。という訳で早くジュース選んで?」
「ええ……それじゃあカルペスでいいや」
「毎度あり!」
「うん、それって私のセリフじゃないかな?」
明らかに霞のセリフではない言葉に奏は思わずツッコむ。
「細かいことは気にしないの! それじゃ授業行こうよ」
今日も今日とて1限の体育の授業へと二人で向かっていった。
◆
「ちょっと、どうしよう……今日の体育佐藤先生じゃなくて佐々木先生じゃん……あの人厳しいからもしかしたら怒られるかな?」
「あの人厳しいって聞くよねー、怒られそうな気がするけど……頑張れ!」
いつも通り体育の授業に行くと、今日は本来霞達の担当である佐藤先生が出張だったため、代わりに鬼教師で有名の佐々木先生が授業をするようだ。
奏はすでに霞を見捨てる姿勢に入っている。
「それでは授業を始める……が、その前に一つだけ、清水! 何故ジャージの名前が春野になっている?」
「はっ! ジャージを忘れたため春野女史の体操着をお借りしました! というか先生、人のジャージを借りる理由がそれ以外にありますでしょうか?」
「ちょっと! 余計なこと言わない方がいいよ!」
一言余計なことを言った霞は奏から小声で注意される。
「先生を舐めているのか……? まあいい……今の清水に、体育を受ける資格はねぇ! と言いたいところだが初犯であるから見逃すことにしよう。以後気をつけるように」
「はい、すみませんでした」
「しっかりと謝れるのはいいことだ。それでは授業を始める! 今日は柔道だ! 二人一組になるように。ああ、そうそう。清水は罰として見本の相手になってもらうぞ」
安心していると先生からとんでもない爆弾が投げられた。
「え……? 先生……そんなに私の体触りたいんですか?」
霞は自分の体を守るように胸のあたりで腕を交差し軽く涙目になりながら先生から少し距離を取る。
「な……っ! そんな邪な意図はないぞ!? そんな意図ばないが……やっぱり見本は森下にやってもらうとしよう、森下、頼むぞ!」
その様子を見て霞は細く微笑んだ。
(ちょっと泣けばこれなんだから……チョロいね)
「霞? なんかすごくゲスい顔してるけど……」
「ああ、気にしないで。それじゃ奏組も!」
この後めちゃめちゃ投げられた。
授業が終わると、このクラスではお前に○○をする資格はねぇ!が流行ったようらしい。