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白の部屋と白の本

作者: 涼吹 翼

今、私は一人だ。

「ここはどこだろうか……」

周りを見渡してみたが純白の壁があるだけだ。

「……なぜ自分はここに居るのだろうか」

考えてみたが、結局は結論には至らない。

こんな場所だが、どこか落ち着けるような雰囲気がその部屋にはあった。

私はなにをするでもなくただ部屋の隅に座っていたが、

しばらくすると部屋の真ん中に白い本が現れた。

「なんだろう?」

部屋の真ん中まで行きその本を手にとってみた。

他にする事もないので本を開いてみる事にした。

しかし、本はいくら力を入れて開けようとしてもどうしても開かない。

「なぜ読めないのだろう」

しばらく本をひらこうと頑張っているうちに、

私は本に対して次第に怒りがこみ上げてきた

「なぜあかないんだ!あけて読ませてくれ!」

私は苛立ちを抑えきれなくなり、本を壁に投げつけた。

バーン!と大きな音を立てて本が壁に叩きつけられる 。

すると本は開いた。

「……まさか開くとは」

どうしても開かなかったので投げだしてしまおうとしただけなのに。

しかし、今はそんなことはどうでもいいのだ、本は開いた。

私は本のそばにかけ寄り白い本を読み始めた。


本の内容は、すばらしい冒険の物語。

私は熱中してその本を読んだ。

そして、本を読み終わったころにはその内容に感動し、涙を流していた。


すると、どこからか声が聞こえてきた

「あなたは本を読めないことに怒り、本が開いたことに喜び、本の内容を楽しみ、最後には感動の涙を流しました。そして、あなたは喜怒哀楽、ヒトの感情を手に入れる事ができました」

私は戸惑いながらもその話を聞いていた。

「いったい、どういうことだろうか?」


そして、その声は最後に

「さぁ、人生という本番が始まります」


と。

人の心は非常に分かりにくいものです、

人の中で一番もろい場所でもあるし、同時にもっとも強い場所にもなりうるのです。

可能性をなくし絶望したのかと思えば、すぐに次の希望を見つけることもできるのです。

しかし、強い心も弱い心も一つで「自分の心」なのですから

弱い自分を否定しないよう気をつけてくださいね。

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― 新着の感想 ―
[一言] 厳しいですが、よくある話です。特に褒める点を見つけれません。
[一言] このようなショート系の話は大好きです!生まれる前は自分の意識はどこにあったのだろうとか、死んだとき自分の意識はどこに行くのだろうとかどうしても気になるタチなので、このような世界観の作品にであ…
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