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記憶  作者: 半月
99/120

99・崩れ去る城

叫び声が聞こえて8人が振り返った先には王が自分の影に飲み込まれていくのを目にした。

「な、何故だ!もう力はないきさまらに渡しただろう!」

「メイアちゃん!もう術を解いて・・・・・・」

「どうして!?もう私、何もやってないよ!?」

騒いでいる間にもだんだんと王は飲み込まれ、もうすでに顔と手しか見えなくなっていた。

「嫌だ!嫌だ!嫌だぁぁぁああ!!」

王は暴れまくり、セタ、ルルス、ミョンハクの三人は術に攻撃呪文を唱えてみるが、全て吸収されていく。

「い・・・・・・や・・・・・・やめて!やめてよ!私の術でしょ!?だったら私の言うこと聞いてよ!」

メイアは泣き叫び、王はただただ暴れ狂ったように叫び続けていた。

そしてついに王の手も目も見えなくなったところでメイアは発狂した。

「イヤァァァアアアア!!」

すぐに王はいなくなり、影も消え、そこには元から何もなかったように静まり返った。

ただ、メイアのすすり泣きの音を残して。

しばらくするとメイアが口を開いた。

「どうして・・・・・・?」

「ただの事故ですよ。ね?」

ルルスがメイアの肩に手をおく。

ルルスは表面上は笑っていたが、内ではさっきのことについて考えていた。

不慮の事故とはいえ、不気味な事故でした。

メイアちゃんがあの術を怖いと最初に言った意味が、やっとわかりました。

でも、術は術者の集中力と精神により出るもの。

あの時メイアちゃんは私の方向を見ました。

球体をとらえていました。

集中力はそこで途切れたはずなのにどうして・・・・・・。

そう考えながらルルスは自分の手の中で形をまだカードに止めていない物体に目をやった。

「まだ強い力はあります。ですが城の外です。城の中はみな非難していません。僕達も非難しましょう。」

占い師がそういうとみんなでぞろぞろ外へ出た。

そこには小さいお城がポツンとあるだけだった。

「何だ?中と外とじゃずいぶん大きさに差があるように見えるんだが。」

「いいえ、本来の城はこんなものなんです。ただ、あなた方の力によって大きくなっていただけ。この決壊もなくなってしまったら、力と原動力、さらには空間の歪みを起こした時間の流れさえ失った城は崩れ、崩壊するでしょう。でも、力を持ち続けても結局城は崩壊します。それどころか世界自体が狂ってしまうだろう・・・・・・と僕は少々ですが先見をしました。」

占い師はニコリと笑った。

「そうですか・・・・・・。」

ルルスはそういって頷くと歌を歌った。

そして四人の頭上に舞い降りたのはセタのお札が一枚。

同時にルルスの記憶もカードの姿になり、ルルスはふっと意識が飛び、ボーッと一点を見つめた。

そして一泊すると次の世界へとんだ。

崩れ去った城とその国の王子を残して・・・・・・。


『その先に』との関連はここでおしまいです。

これから先見という言葉がキーワードになっていきます。

ここまで読んでくださった方々、読者の皆様に感謝いたします。

ありがとうございます。

次話でついに100話突破(自分で一人祝……寂しっ!!)ですが、ここまで続けられるのも皆様のおかげです。

本当にありがとうございます。

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