86・見えない寂しさ
・・・・・・。
「で、その旅人が俺たちってわけか。」
「そう!」
飛び跳ねるようにカルナは頷いた。
「夢で・・・・・・そんな魔法もあるんですね。」
「まあとりあえず今日は休め!国についてはまた明日説明するからさ。」
四人は2人ずつの男女ペアで部屋を振り当てられ、後にカルナさんがもってきてくれた服に着替えた。
「ねえルルスちゃん最近思うのカードの記憶・・・・・・本当に半年かなあ。」
メイアの言い方はそっけなく感情をできるだけ押さえているようだった。
「・・・・・・いいえ・・・・・・私も思います。カードの記憶量はカードによってバラバラです私が戻っていない記憶はもうほとんどありません。」
ルルスもそっけなくでも表情は悲しそうに顔を床に向けた。
「だよね・・・・・・じゃあさ?これが私たちの記憶を持つ旅だったら・・・・・・ここが終着地点?」
「・・・・・・かもしれませんね。」
それをメイアがミョンハクに伝えるとミョンハクは目を丸くした。
「何だ?おまえらもうそんなに戻ったのか?俺なんか戦いの記憶ばっか戻ってきてまだ一般はあまり戻ってきてない。あ、でも数えられるくらいには少なくなったけどな。」
「そう・・・・・・なんだ?」
メイアがホッとしている横でルルスもホッとしていた。
「何おまえらホッとしてんだよ?」
「し、してないもん!」
「あ、いえ・・・・・・まだ皆で旅を続けられるんだなあっと思いまして。」
メイアとルルスの声はほぼ同時だった。
「ふーん。」
その反応を見たミョンハクは旅を続けたい理由がセタであると感付いてセタをチラリと盗み見た。
必要とされてるのは・・・・・・俺じゃないってことだよな。これ・・・・・・。
「ミョンハク君・・・・・・?」
メイアに呼ばれ、振り替えるとメイアは心配そうな顔をしていた。
「どうしたの?」
ミョンハクは少し苦笑してから言葉を発した。
「どうして俺の表情には気付くのかね。別になんでもねえよ?」
「だって・・・・・・時々皆・・・・・・すごく妙に寂しそうな顔してるときあるから・・・・・・まるで自分が独りみたいに。でも違うよ?誰も独りなんかじゃないんだよ?私達は四人だからみんないて初めて成り立つんだよ?」
「わかったわかった。な?そんな顔すんな。」
ミョンハクはニッと笑ってメイアの頭をクシャクシャっと撫でた。
「ムゥ!?ひどい!私、本気なのにミョンハク君は私のこと子供扱いするんだ!?」
メイアはそれはそれはまだ10歳位の子供のように怒り、ミョンハクはガキと言いながらお腹を抱えて笑っていた。
その横で一人、寂しさをあまり隠せていないルルスが少しだけ笑っていた。
どうして・・・・・・こんなに孤独になった感じがするのでしょう。
こんな私だから・・・・・・セタに頼ってしまうのでしょうか?
そんな中、「仲いいなぁ。」と言って部屋から出て来たのはセタだった。
「セタ!」
「セタ君!」
二人は同時にセタの名を呼び、今までのことがなかったかのようにセタに笑顔を向けた。
「仲いいのは構わないけど室内でやらないか?ここじゃうるせえよ。」
そう言って親指で部屋の扉を指差した。
「仲いいんじゃないもん!ミョンハク君が私を小馬鹿にするだけだもん。」
メイアはむくれ、ミョンハクは苦笑した。
「はいはい。な?もう休もうぜ。」
その言葉でみんな散らばり、数十時間寝続けた。
この章は別小説『その先に』につながっています。
つなごうと思ったわけではないのですが、なんか、つながっちゃいました。
この小説はファンタジー系統ですが、その先に、は結構ありえない系の恋愛中心小説です。
興味がある方は除いてみてください。