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記憶  作者: 半月
8/120

8・関係

さて・・・・・・この先どうなってしまうのかと思ったら、記憶を失ってしまった三人ですが・・・・・・!?

「メイアちゃん!!」

倒れこんだメイアにルルスとミョンハクが駆け寄ると、二人からも光が飛び散り、倒れた。

しばらくはそのままの状態。

数時間後。

「ん。」

一番最初に起きたのはメイアだった。

メイアはあたりを見渡し、つぶやく。

「・・・・・・誰?この人達。」

メイアの近くにはメイアが見覚えの無い人たちが横たわっていた。

でも、胸元にあるマークでわかることがある。

それは、生粋の血。

「セイ家、サントラー家?」

「っ・・・・・・。」

するといきなりセイ家と呼ばれたほうのマークを持つ青年が起き上がった。

「あ、あの、大丈夫ですか?」

恐る恐るメイアが声をかける。

「誰だ?お前!」

ミョンハクは正直、かなり驚いていた。

知らない女がいる。

知らない女が話しかけてくる。

しかも横には知らない女が倒れている。

これは・・・・・・サントラー家の者だ。

「あなたは・・・・・・セイ家の方ですよね?」

「まずは自分から名乗ったらどうなんだ?」

すると、話しかけてきた女がムスッとする。

「メイアです。シャルス・メイア。あなたは?」

シャルス?知らないな。

「セイ家生粋の血を引く者だ。」

「そんなの見ればわかります。」

ますますメイアとか言う女が不機嫌になる。

「名前は簡単に名乗る者ではない。使いようによっては名前だけで殺せる。特にそこで寝ているサントラーの使う魔法ではな!!」

俺はサントラーが嫌いだ。

俺は見えない何かと戦わされてきた。

サントラーなんかがいるから俺は常に一番をもとめられてきたんだ。

災いと呼ばれたのも。

力を手にしようとして逆に嫌われ、さらに恐れられたのも。

すべては東洋魔法(サントラー)のせいだ!

東洋は相手なんかいなくても影からやっちまえる。

その点、西洋は正々堂々勝負だ!!

裏からこそこそなんて汚いまねは絶対しない。

だから。

サントラーには負けたくない。

あいつとは違うと言い張ってきたんだ。

「別に私はあなたを呪わないし。あなたの名前は何なの?」

ムスッとした女。

「まぁ・・・・・・いいだろう。セイ・ミョンハクだ。」

人のことジロジロ見てきて、無礼な奴だな。

「ん〜・・・・・・ぁ?」

倒れていた女が起きた。

サントラーはあたりを見渡すとつぶやいた。

「・・・・・・どちら様でしょう?」

「あ、大丈夫?」

「えっと、なぜセイ家がいらっしゃるのでしょう?」

「さぁ。私はシャルス・メイア。あなたは?」

「メイア・・・・・・ちゃん?」

「え?」

メイアちゃん・・・・・・。

メイア・・・・・・誰?

誰なの?私を優しく呼ぶのは誰?

「あ、すみません。口が勝手に・・・・・・。」

本当になんてことを・・・・・・いきなりちゃんと呼ぶなんて馴々しいにも程がありますわ。

「ううん。いいよ。」

「私はルルス・サントラーです。」

あえてセイ家には聞かない。

セイ家は東洋に名を聞かれることを嫌います。

呪い殺すということを信じているみたいですけど、それは長などのそうとうな力がなければ為せぬ業。

それに長達は条約を守り、条約にしたがってこその長。

だから、名だけで呪い殺すなど不可能なのですが・・・・・・西洋はいかにも自分達のほうが偉いと優れていると思い込んでいるようなあの態度がいやですわ。

だからこそ争ってきた相手。

「ルルスちゃんってよんでいい?」

いきなり聞こえた横からの声。

「え、ええ。どうぞ?」

「よければ私のこともメイアちゃんって気軽に読んで?」

人懐っこいおかた。

私より短い髪の毛は淡い茶色に光って・・・・・・。

人の心に訴えかけてくるような記憶に残るような方・・・・・・。

記憶・・・・・・?

あれ。そういえば私、思い出せませんわ。

5歳くらいからずっと・・・・・・。

「あ。あれ?記憶がない?」

「まぁ。あなたもですか?」

「俺もだ。5歳くらいまでしか思い出せない。」

「それより、こちらはどちらなのでしょう?」

ルルスのその問いにピクリと反応したのはミョンハクだった。

―――こいつ・・・・・・3歳くらいに勉強しなかったのか?

「おいおい。ここは予言の書物に書いてある英雄が飛び出ち部屋だろう。それより、どうやって俺たちはここにはいったんだろう。儀式の日以外は警備が厳しすぎて入れないはずなのに・・・・・・予言の日は明日・・・・・・?だろう?」

「17歳になった記憶はありますし、儀式のことも覚えています。けれど・・・・・・5歳の誕生日からいきなり17歳儀式になるなんて・・・・・・。」

―――それに、儀式に誰が出たのかも憶えていないなんて・・・・・・。

ルルスは、真剣に考え込んでしまった。

「あの。セイ君。これって。」

「ふん。馴々しい。」

メイアは、その言葉に激しい怒りを覚えた。

―――むかつく・・・・・・なんなの!?さっきっから!

メイアは、またさらに不機嫌になっていく。

「予言は三人。三人とも記憶がない。儀式にあなたたちは出たのか分からないけど。予言とは関連してると思う!」

「そうですわね。シャルスさんの言うとおりかもしれませんわ。」

「メイアちゃんって呼んでほしいな。ね?ルルスちゃん。」

ルルスちゃん・・・・・・何で呼ばれるとこんなに落ち着くのでしょう?

「はい。」

ルルスはニコリと笑った。

「どうでもいいが俺は旅はしない。」

「でも予言ではこの三人で旅をするのでは?」

「なら、おまえらとは旅をしない。」

「それはいけませんね。三人が三人のまま互いに対立することがなければまず安全と思われるに反しますわ。」

真剣にルルスは、ミョンハクの瞳を捕らえたまま言い切った。

「う。わかった。わかった。」

パァアッ

とたんに三人の意識は眠りにつき辺りは光に包まれる。

『ここにいる者、ルルス、ミョンハク、メイアを旅する者。勇者として異世界へと送る。異世界へと旅立つものは試練ともぶつかる。それを乗り越えるために私からそなた達に贈り物を授けるとしよう。それは異世界のことばを通訳するもの。それの代償としてそなた達の関係の記憶は戻らない。確かな記憶なしにそなた達がどこまでできるか、やってみるがよい。』


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