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記憶  作者: 半月
59/120

59・命なき世界

「ねぇ、これって自分達の魔力でしょ?」

いきなりメイアが出てきた。

「だからどうした?」

「ん・・・・・・大したことじゃないんだけど・・・・・・自分達が強く望めば自分達の魔力なんだから、制御できるんじゃないの?」

「んなことできるかよ。」

「やってみなきゃわからないし・・・・・・。」

メイアが集中して意識を外へと向ける。

ゆっくりと触れると、かすかに薄いオブラートのようにやわらかいのに弾力性のある幕に、それを越すようにして歩みはじめた。

ふわっと体が浮いた気がして、メイアは閉じていた目をあけた。

そこには果てしない砂漠と、幕のなかにいるルルスとミョンハクとセタ。

「みんな!うまくいったよ!」

それでも三人は口をぱくぱくさせてあわてているだけだった。

「え?・・・・・・もしかして見えてないうえに聞こえてないの・・・・・・?」

戻らなきゃ・・・・・・そう思ったとたんにメイアは三人のところに居た。

「メイアちゃん!いきなり消えて驚いたんですよ!?」

怒るような口調で言われて我に返ったが、今、外で見た景色は何もなかった。

とても人が住める環境ではないことを思い出したのだ。

「あ・・・・・・みんな・・・・・・ダメだよ・・・・・・この国は壊しちゃいけない・・・・・・。」

「はぁ?何言ってんだよ!」

ミョンハクが怒鳴り気味にメイアに言った。

「俺もこの世界に結界として残しておくことはできない。」

セタも静かに同意する。

「でも、でも!この国がなくなったら・・・・・・魔力や霊力がなくなったら星にいる全人々が消えてしまうとしたら!?それでも奪えるの?奪えっていうの!?」

すると、ルルスが額に手を置いてため息を吐いた。

「メイアちゃんに一番先に外へ行かせるべきではなかったかもしれませんね。」

ため息混じりに言われ、メイアは自分だけがまた反対したことに気づく。

「そんな・・・・・・ひどいよルルスちゃん。」

そしてメイアはしばらく別行動を取った。

情報収集にむかってもみんな言うことは同じだった。

『さぁ?知らないなぁ、なんせこの世界はずっと前からこうだからね・・・・・・。』

つまり、魔法世界になった原因も外のことも誰一人として知ってはいなかったのだ。

この世界の住人をどうやって全員助ければいいの?

仲間に助けを求めればまた馬鹿な考えを起こしたと思われる・・・・・・。

わからないよ・・・・・・どうしたらいいの?

誰か教えてよ――…‥。

ちなみにメイア以外の三人は外に行けなくて今だに四苦八苦していた。

その間、ルルスはずっと考えていた。

少しきつい態度を取ってしまいましたね・・・・・・でも、メイアちゃん一人が先に行くことでメイアちゃんだけが犠牲者をだすことを恐れてしまって・・・・・・私たちとは考えが違うと反発して、一人で傷ついて、一人で何もかも背負おうとしてしまう。

そんなお優しいメイアちゃんだからこそ・・・・・・一番ショックが大きいはじめに行かせてはならなかったのですよ・・・・・・でも・・・・・・本人が行ってしまった後では遅いですよね・・・・・・。

「おまえ・・・・・・さっきっから何考えてんだ?ため息ばっかついて。」

「セタ・・・・・・いえ、何でもありませんよ。」

ミョンハクはそんなセタを横目に見ていた。

さっきから考えていることはただ一つ。

得体の知れない奴・・・・・・。

気付けば彼女達は彼を仲間にしていた。

気付けば彼女達は彼を受け入れていた。

また、彼も彼女達に馴染んだ。

なのに自分はまだ彼の得体が知れない。

まだ自分は彼を受け入れられない。

同じ“もの”を探していても、いくら共通点が多くても。

自分の居場所が彼によってだんだんと減ってきている気がして。

そんなことにこだわっているみみっちい自分が嫌になって。

悪循環に陥ってしまう。

だからこそミョンハクは分からなかった。

なぜあんなにもあっさりと人のなかに入ってきて馴染んで、それでいて慕われるのかを。

そして何より、理解できなかった。

理解したくなかった・・・・・・。

「ミョンハク?」

返事はしなかった。

いきなり歩きだした彼を見て、セタとルルスは驚いていた。

「ミョンハク!ミョンハク!まだ私たちは外へ出れてはいないのですよ!?」

「おい!どこ行く気だ!」

「メイアを探す!じっとしてたって一番はじめにここを抜け出したのはあいつなんだ!あいつに聞くしかないだろ!」

そう言い残してミョンハクはメイアを探しに出た。

そんなミョンハクを見てルルスはため息を吐いた。

「なぜミョンハクはあーもメイアちゃんがお好きなのでしょうね。」

「は?」

「いえ、半分ひがみとでも言っておきましょうかね。今メイアちゃんを呼び戻したって・・・・・・今の私たちの考えに反発するだけなのに・・・・・・。」


仲間割れがだんだん深刻化していきますねぇ・・・・・・。

さて、そんなこんなですが、この話の間はしばらく?コーナーお休みにしようかと思っています。

もしかしたら?コーナーも楽しんでいただいた方がいるかもしれないので誤っておきます。

ごめんなさい。

((笑

っていう冗談はいいとして、ここまで読んでくださってありがとうございます。

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