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記憶  作者: 半月
58/120

58・思い描いたもの

ついた世界は今までにない世界だった。

「旅人さんですかぁ?」

甘い声がして前を向くと、白とピンクのふりふりをきた、ふわっふわの女の子?(年齢不詳)がいた。

「ええ、そうです。」

ルルスがたんたんと答えた。

「あなたかわいいねー。髪の毛とか水色にしちゃえばぁ?」

すると、その一言でルルスの髪の毛や目の色などが水色になった。

『!?』

四人で驚いた。

「あなたは赤かなぁ?」

ミョンハクを見ながら言う。

次はメイアをながめ、オレンジ、セタは黄緑と言われた順々に髪の毛や目の色がかわっていく。

訳がわからず、すっかり取り乱している四人にその人はにこりと笑いかけてから、付け加えた。

「大丈夫ですよぉ?本人がもとに戻したいと思えば簡単に戻るからぁ。」

その時、セタとミョンハクは“大丈夫ですよぉ?じゃねぇよおい!”とめずらしくシンクロをしていた。

「え、じゃあ思ったとおりになるってこと?」

メイアがつぶやくと、その人は何を今更?みたいな顔をしてどこかに行ってしまった。

「どうやらここは魔力で個人が魔法を保持するのではなく、世界自体が魔力でできていている世界だということですね?」

そしてルルスはまた考えはじめた。

思ったことを形にできるという夢のような世界。

その原動力はなんでしょう?

私たちのカードだった場合、今までのパターンでいくと、科学発展や都市発展などに役立てられていましたけど・・・・・・。

おかしな話ですね・・・・・・セタのカードだとしてもあれは霊力・・・・・・魔力とはまたかわってくる力です。

魔力に快楽があるとすれば・・・・・・また話も変わってくるのでしょうが・・・・・・。

「でもまぁ、寝る場所にも食物にも困らなくなりましたし、この国を検索してみましょうか。」

そうして、いろんなことを試した。

「隣国・・・・・・ですかね?」

門のようになっている世界の先。

「行ってみようか。」

メイアが一番最初に入っていったのに、帰ってきた。

「あれ?おかしいな。何でみんないる場所に?」

「なにやってんだよ。」

セタがプッと笑った。

「俺がいく。」

ミョンハクが入っていくとやはりメイアのような現象が起きた。

「おい・・・・・・嘘だろ?どうなってんだよ?」

セタが不気味がる中、ルルスは一人推測をたてていた。

ここだけの国が世界として成り立っていたとするなら?そうしたら魔力が濃すぎるくらい濃い、濃密な世界が出来上がりますね。そしたらこれだけしかいない人数の考えることを現実にするくらい簡単かもしれません。

そしてこの魔力をここ一点だけに閉じ込めているものはなんでしょう・・・・・・。

たぶん閉じ込めているのは壁でしょうけど・・・・・・この壁が何からできているのかは、謎ですね。

もしも魔法を可能にさせている原点ものが私たちの魔力カードだとしたら、壁となりえる同じだけの強い力をもつのは・・・・・・セタの霊力カードでしょうか?とりあえず、壁を壊してみてから考えたほうがよさそうですね。」

すると、ミョンハクも同じようなことを考えていたらしく、壁を壊していた。

でもやはり結果は変わらず、その国から外には出れなかった。

それどころか、壊された壁は修復し、壊された形跡など跡形もなく消えてしまった。

ミョンハクはしばらく黙り込んでから口を開いた。

「こっから外に出なければ・・・・・・。」

「え?何で?」

メイアが尋ねる。

「ここでは魔力の密度が高すぎる。この壁はこの魔力をおそらく封じ込めているんだろう。これを壊さなければならなくなるな。俺が考えるに、この国の外に出られないということは、この国以外には魔法はかかっていないということだ。外枠を外すだけならこの魔力のなかにいるより外からはずしたほうがいい。」

「本当にそうでしょうか?魔力を押さえ付ける壁が魔力なら魔力同士は同化してしまいます。つまり、壁にはならないんです。もしもこの国の外に出れたとしてもですよ?魔力ではないものにどうやって立ち向かうのですか?」

「ならこの壁はなんだっていうんだ?」

ミョンハクが怒り気味に言うと、メイアは壁に触れ、首を傾げた。

「私にはこの国の魔法も壁も同じ物に思うけどなぁ・・・・・・。」

「メイアちゃんのおっしゃることはもっともですよ。」

にこっとルルスが笑う。

「じゃあなんで俺は違うんだよ!」

ミョンハクが前に出てくる。

「まったく・・・・・・これだから少々考えが足りないのですよ。私たちの仲間を考えてみてください。」

「え?ルルスちゃんミョンハク君、セタ君、私?」

「そう、その中に一つだけ違う力の持ち主がいらっしゃいましたよね?」

「つまり、霊力だとでも言いたいのか?」

ミョンハクがセタをちらりと見ながら言った。

「ええ、同じ波長を持つもの同士。ですからメイアちゃんの言うことはごもっともでも、ミョンハクの言ったことは間違っていたわけですよ。」

今まで黙って聞いていたセタが口を開いた。

「つまりこの壁は俺が探している物であり、結界からできている・・・・・・ということか。確かに結界は霊などを閉じ込めるために作られた壁のようなものだが・・・・・・中身がおまえ達の魔力・・・・・・とやらだとすると、なに、つまりおまえ達の魔力は霊なのか?」

「いいえ。たまたま同じ波長を持つもの同士が集まり、囲うか閉じ込められるかの違いになっただけだと思いますよ?」

「でもあれだな。もしここが結界内なら、閉じ込めたものを外にもらさないように内側には呪縛ははられない。だから一度外に出ないと・・・・・・。」

「とりあえず今日は休みましょうか。」

そういいながら当たり前のように空中に座ったルルスを見てみんな唖然とした。

「どうかしましたか?」

「どうって。」

「順応が早いんだな。」

「すごいね・・・・・・。」

三人それぞれに座り、好きなことを思い描いてすごした。

そして体力を温存したところで外への出方を考えた。


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