5・謎
前回や今回までのストーリーはほのぼのでした。
そのまま帰りはわりとスムーズに帰った。
行きと違い、時間に逆らって魔法を使っているわけではないから、抵抗をそんなに受けなかったのだ。
「ふぇっ。未来なんて見れないよ。」
「災いに関しても無理ですわ。」
メイアはさっきっから黙り込んでいるミョンハクに気付いた。
「そういえばミョンハク君はなんでさっきっから黙ってるの?」
「一番重要な部分がわかっていない。まず災い。そして俺たちの未来についても。」
「でも分からないって。」
「分からないんじゃない。わかってたんだ。言葉じゃ言い尽くせないほどだったんだろう。」
「でも、でもっ!ルルスちゃんは分からないって。」
「ええ、正式にはブロックされて見ることが不可能なんです。」
「なんでー!?」
「見るもおぞましい世界なのかも知れませんし、私達の手によって変わりゆくみたいですから、不確か過ぎるだけかも知れません。」
「そーだろーな。もともと争いあってた俺らが加勢するんだからな。」
「そうですね。」
妙に納得し、ルルスはミョンハクに笑いかけた。
「お・・・・・・おう。」
あれ・・・・・・?
ミョンハク君の顔が赤い・・・・・・?
「よーしっ!私、ミョンハク君のこと、応援するからね!」
「は?な、なんだよいきなり。」
「何言っちゃってんのさ!・・・・・・ずっとルルスちゃん見てたくせにっ!」
最後の方は耳元でささやく。
「なー!?」
真っ赤になったミョンハク。
「図星!」
淋しいなんて思わないよ。
きっと二人は私を仲間外れになんかしないよね?
雷鉄拳が飛んできたのであわててよけた。
本気のミョンハク君はマジで恐い。
「ミョンハクっ!争ってはいけません!」
「だいじょーぶ!これはミョンハク君の照・れ・隠・し!」
「はぁっ!?」
「ねっ?」
どんっと押したつもりがいつのまにか波動拳を使い、ミョンハク君を吹っ飛ばしていた。
ミョンハク君は空中でバランスをとり、かっこよく地面に着地。
「あっ!ごめん!だいじょーぶ!?平気だった?」
「メェ〜イィ〜アァ〜!?」
おそらく、今ミョンハクの背景には猛獣が牙をむいてこちらに襲い掛かってこようとしているのがいるだろう。
って、それよりも、怖い!
「ごめんなさいぃっ!!」
「おまえ、本当に女か!?」
メイアは、「ム・・・・・・」と言って口を尖らせると、その後にこう続けた。
「そりゃあ、私はルルスちゃんと比べたら全然女の子らしくないけどさぁ!?けど、ルルスちゃんと比べたら誰だって負けるよっ!」
「何のお話ですか?」
内容がよく分からないルルスにとって、いきなり自分の名前が出てきたことは驚き以外の何物でもなかった。
「うんうん。ルルスちゃん、まんまお嬢様って感じだし。」
「まぁ。ありがとうございます。お恥ずかしいですわメイアちゃんったら。」
「これと比べられたら私はおさるさんだもんねっ!」
「そんなことありませんよ?メイアちゃんはこのままで十分可愛いのですから自信もってください。ね?ミョンハク。」
むくれるメイアに、微笑むルルス。
「俺にふるな。」
ミョンハクは苦笑に近い表情を浮かべた。
その後に、三人は顔を見合わせて笑いあった。
・・・・・・笑い声が響く昼下がりの噴水の前の木陰。
これから三人に何が起ころうとしてるかなんてきっと誰にも想像できない。
未来なんて分かるはずない・・・・・・。
つまらないと思った方は次回からが面白くなるかもしれません。良ければ改善点やこうしたらもっといいかもなどのアドバイスをお持ちしております・・・・・・((年中無休で。笑