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記憶  作者: 半月
23/120

23・強さ

今回は注意書きです。

二人が闇と戦いましたが今回はそれを少々上回る血などの描写場面がありますので、あんまりなー。など、嫌いな方は読まないほうがいいかもしれません。

メイア、ルルスが闇と戦いはじめる頃、ミョンハクは・・・・・・。

いきなり別の世界へと切り離された感じがした。

「え?おい。メイア?ルルス?」

幻想的な世界から一辺。ダーク要素たっぷりな世界があらわれる。

主な色が赤、黒、白というなんとも奇妙な世界にミョンハクはいた。

グワァン。

変な物音が頭を貫いていく。

黒い建物の淵が赤や白。

空は何色とも言えない藍色と鉛を掛け合わせたようないろをしていた。

あっという間にミョンハクは得体の知れない者達に囲まれる。

「我々は貴様を審査する者。」

「はぁっ!?」

「我々は貴様が本当の勇者や英雄になる素質があるかを調べるために生まれし者。」

分身したようにみな同じ格好同じ背丈だった。

そして次々に話しだしていく。

「我々は貴様がどれほど強い意志をもっているか調べる。」

そう言って、いきなり水しぶきのようなものが飛んでくる。

当たったところが焼け焦げて消えていく。

かわすうちに段々足元に泉のようなものができた。

消えていくということは、骨も溶かすだろう。

実体もなくなってしまう。

くそっ。こんなところで死んでたまるかよっ!

でも、黒っぽいしぶきはだんだんと雨へとかわる。

どんどん足場が消えていく。

「くっそぉおぉっ!死んでたまるかぁあぁぁ!」

雨が止んだと思えば次々に人が来た。

戦い慣れた黒い服に黒い仮面の男か女かも分からない人たちがミョンハクを襲う。

「だぁぁあぁっ!」

波動拳、雷剣、宙返りで後ろにいた奴に蹴りを食らわせても敵は次々に湧き出るようにして出てくる。

「何故・・・・・・貴様は戦う。」

「んなもん、命が惜しいからに決まってんだろう!」

「何故・・・・・・命が惜しい?」

「そりゃ。」

守りたいものがあるからだろう・・・・・・そういいかけて俺は口を接ぐんだ。

「光があれば、闇もまたうまれしものなり。」

何を守りたい?

自分の命?

疫病神と呼ばれ、さげすまされてきたこの命が惜しいのか?

違う。

なら・・・・・・。

『なにを守りたいんだ?』

考えと敵の声がシンクロする。

一番に浮かんだのはあいつの笑顔。

いつもそばにいることが当たり前のようにいてくれた。

何の概念もなく俺がセイ家だからと警戒する様子もなかったあいつの・・・・・・。

笑顔。


次に浮かんだのはいつも競い合う相手でしかなかったあいつ。

メイアと幼なじみのように笑っていたあいつ。

俺を警戒し、色々警戒するルルスの顔。

何故俺は二人を守りたい?

懐かしいと思ったから。

何故?

あいつらがいるから俺がいると思えたから。

・・・・・・あいつが・・・・・・好きだと思ったから・・・・・・?

唐突な考えと言葉に首を横に激しく振る。

不意ができた瞬間に胸の少し上、肩辺りを突かれる。

「グォハッ!」

声にならない悲鳴をあげ、咳すらまともに出ない激痛に貫かれながらあちこちに俺の血が飛び散ったのを感じていた。

パタッ。

「何故・・・・・・強くなりたい?」

「んなもん、決まってんだろ・・・・・・あいつのためだよ。」

ただ、頭のなかに繰り返しあいつの笑顔だけが浮かび上がり消えていく。

時々、寂しそうに笑ってんじゃねーよ馬鹿。

当たり前のように感じてた存在がこんなふうに離れて、しかも命の危機にならないと分からないなんてな・・・・・・。

「ざっけんな・・・・・・こんなところで・・・・・・死ねるか、よっ!」

波動拳で相手を吹っ飛ばす。

ただ、がむしゃらに戦っていた。

気が付いたらもう壁はなかった。

強くなりたい。ただそれだけで・・・・・・人はどれだけの力をその内に秘めているのだろう?

「うぐっ・・・・・・。」

ただ、貫かれた胸の辺りが痛かった。

やっとの思いで歩きだすとそこに出口らしきものがあることを発見し、扉をあけた。

扉はとたんに消え、幻想的な世界には・・・・・・あいつが立っていた。

服は自らの魔力で傷を再生させていく。でも、体の傷はそう簡単には治っちゃくれないから服のしたの傷を気にならないように血が付いていないかを確認し、注意する。

二人で話し合っているあいつに弱さを見せたくなくて精一杯いつも通りを演じてみる。

「いやーまいったまいった。」

「ミョンハク!」

「ミョンハク君!」

同時に聞こえた二つの声に妙な安心感を覚えた。

これからは・・・・・・俺が守っていくんだ。

この安心感を守り続けていくために。

弱いところなんか見せたらいけない。

そう思ったら体が引き締まった気がした。

戦って戦い慣れた頃・・・・・・ずっと今と同じでいられると信じて・・・・・・。

「なんかよぉ。わけのわかんねー奴らと戦わなくちゃならなくなって、少々火傷した。」

「え?自分と戦わなかったの?」

は?自分と?

「は?自分と戦う?」

「どうやら三人全員が同じことをしていたわけではないようですね。」

「そういや、光があれば、闇うまるとかわけの分かんねーこと言ってたな。」

二人が反応した。

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