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記憶  作者: 半月
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2・古き言い習わし

今まで西洋、東洋、西東洋の魔法は強いもの同士で争ってきた。

なのに、そんな敵と友達になれたのは、この人たちも同じ運命を信託されつつあるから。

真っ茶色の髪の毛に、ワイン・レッドのような瞳を持つ男の子。

セイ・ミョンハク君。

強い力を持ち、西洋の生粋の血を引く男の子。

本家では誰にも魔力の強さは負けない。

「しかし、生粋の血を引くわけでもないお前がこんな強い魔力を持つなんてやっぱりおかしいのかもしれないな。」

お前とは、私のこと・・・・・・。

シャルス・メイア

短くも長くもない肩につくくらいの髪の毛で、しょっちゅういろんな風に髪を束ねている。

名は、西洋も東洋もどちらも入った名前。

名前は・・・・・・生粋ではないからこそ・・・・・・がある。

ミョンハクの言葉に反応した漆黒より、少し青の多い髪をしたが口を開く。

「メイアちゃんは特別なのですよ。ミョンハク。そんな災いを持つものみたいに言わないでください。」

「あはは・・・・・・ルルスちゃんやっぱり“あれ”(古き言い習わし)は信じたくないよね。」

苦笑いしながらメイアはルルスと言った娘を見る。

「信じたくありませんね?」

ルルスとは、サントラー家、東洋に属する生粋の血を引く娘。

ルルス・サントラーちゃんのこと。

東洋の魔法も西洋の魔法も最初はみんな一緒でちょっと始まった喧嘩からあっという間に対立へと導いた。

だから、西洋も東洋もご長老たちはいまだに犬猿の仲。

でも、サントラー家とセイ家は同等の力を持ち、互いを分かち合うために条約を結んだ。

この国に平和が訪れたのは条約を結んでから。

それからしばらくすると西洋も東洋も仲良くなり、西東洋魔法が生まれた。

今でも儀式は行われている。

この国の平和のために。

そして、古き言い習わし(予言)が生まれたのはセイ家、サントラー家対立よりもっと前のこと。

「うーん。やっぱり変だと思わないか?確かにメイアの親は生粋の俺たちとも同等にそれなりには戦える強さだったが、なんでもない家系にこんな強い力をもったものがいきなり生まれてきていいものなのか?」

「やっぱり良くなかったよね・・・・・・ごめん。」

「何を言ってるんですか?メイアちゃんが生まれてきてくれなかったら私たちは会えなかったじゃないですか。」

「そっか。そーだよね?ありがとうルルスちゃん!!」

「ミョンハクもミョンハクです。メイアちゃんをいじめないでください。」

「ルルスはメイアばーっかかばうよな?」

罰の悪そうな少し寂しそうな表情でミョンハクは言った。

「当たり前です!メイアちゃんは数少ない私の親友ですから。」

そう。私たちはここに居る3人全員、並外れた魔力に持ち主であり、一線を引かれ、近寄ることさえ許されず置き去りにされたまま恐れられた者達だった。

たとえ周りから見てそれが羨ましかったり、僻みであったりしても・・・・・・。

一人だったことに、寂しかったことに変わりはなかった子たちだったのだ。

また、この三人がそろうとき災いが起こるという不吉な言い習わしもあって、私たちが生まれてからの警備、護衛、古代書物の管理が厳重になってしまった。

「ねぇ?ルルスちゃん。予言っていつだっけ・・・・・・?」

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