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記憶  作者: 半月
18/120

18・宙(そら)

予言、光。これらが表しているのはいったい・・・・・・?

「ん・・・・・・?」

一番に起きたのはメイアで、メイアを覗き込む顔にびっくりする。

「あっ!一人起きたよ!セナっ。」

メイアを覗き込んでいた女性はそう叫んだ。

そして、セナと呼ばれたらしき女性・・・・・・よりは娘のような人が何かを抱えながら入ってきた。

「だから、あたしのことは社長と呼びなさいってば。」

「あの・・・・・・。」

「あ、そうそう。ぱっと見、外人さんみたいだけど、あんな場所で倒れてたら危ないよ?」

「へ?」

「この家の屋上。マンション経営と飲食経営で結構な高さのあるビル会社ってところだから、たまにあそこも道路になるんだ。下手したら引かれて死んじゃうよ?」

「ええ?」

話がまったく見えない。

「ま、いいや。他の子もちゃんとあずかってるからね。」

ぼーっと外を眺めるとありえないことに気付いた。

「すみません・・・・・・なんか、いろんなもの浮いてません?」

そう。空中に信号機があり、車やバイクと思われる機械達が次々と宙を走り去っていくのだ。

「何。言ってんの?」

「だって・・・・・・あれ、なんですか?空飛んでるやつ。」

すごいスピードでまるでそこに見えない道路があるかのように走り去っていく。

「トラック。」

「ええ?」

メイアは混乱していた。

何で鉄の塊、その他もろもろ宙に浮いてるの!?

ダメだ・・・・・・話が異次元過ぎてなんか、なんもわかんないや・・・・・・。

「どこの田舎からきたの!?この都市は盛えた都市で、不思議な力をもつ一枚のカードのおかげでとたんに盛えはじめたってのはかれこれもう、かなりの昔話だよ!?今じゃそんなカード存在するかさえ実体は不確かで・・・・・・そう。今や伝説さ。一種の都市伝説ってヤツなんだよ。」

「カード・・・・・・?」

メイアは、いきなり出てきた単語に食いついた。

「そう。そのカードはいきなりこの町にあらわれてべつにどこかに害を与えるでもなくこの町を都市に盛えさせた。今やこの都市だけじゃない。世界もこの都市に追い付いた文明や科学を発展させようとしてる。つまり、世界の神さ。存在するのかは分からないんだけどね。」

肩をくすめながら女性は、話す。

「そう・・・・・・です・・・・・・か。」

大きな力はここに害を与えるどころか町を世界有数の都市にまで発展させた。

もしもそのカードが私たちの記憶だったらどうする?

たぶん。取り戻さないと次の異世界にはいけなくなってしまう。

それにものが空を飛べるようになったのは記憶の魔力がこの世界の磁場をねじ曲げてしまったからじゃないかな。

そんなの取って大丈夫なの?

えぇぇ?もう全然何が何だか分かんないよう!

「今はさ。セキュリティーのがんじがらめのとこで誰にも見せてはもらえないんだ。だから本当にそここにカードしかないのかなんて、みんな誰一人として知っちゃいないんだよ。あるお偉いさん一人をのぞいては・・・・・・ね?」

「それよりあんた、具合はどうなのよ?」

今まで黙っていたセナさんが急に口を開く。

「セーナー!むこうの二人も起きたよ!」

今まで近くにいた人がいきなり廊下のほうで呼んでいた。

「社長!」

「いいじゃんべつに!」

「それにあたしの名前はスェナ!あんたいつまで子供の時あたしを呼んだ名前で呼んでんの!?」

「えぇ!?スェナさんなんですか!?それにスェナさんのほうが年上!?」

メイアが異様なまでの反応を示した。

「あはは。セナまた間違えられた!ねー。童顔のセーナ。」

ぽんっとスェナさんの肩に手をおく。

「もういい。慣れた。その反応。」

額に手をつけ、大きく息を吐きだす。

「とりあえず、ふたりにあってきなよ?」

そう女性は言って、メイアは廊下?と思われるところまで出た。

廊下は、外側だけがガラス張りで出口があった。

そのガラスの外を目が点になって見つめているルルスとミョンハク。

「二人とも私たち、ここのビルの屋上で倒れてたんだって。私たちどうやってこっちにきたんだっけ?」

その言葉でルルスやミョンハクが納得する。

「ああ。つまり、ここは異世界なわけですね?さっきとは違う。だからこのような文化であると。」

「で、どーせこの文化のどこかに俺たちの記憶カードが関係してくるわけだろう?」

「う。うん。そう。二人とも飲み込み早すぎ・・・・・・。」

「異世界だったらどんな文化もありえますからね?」

「けど、どうやってきたんだろうな?」

「分かりませんね。」

「わっかんないよね?」

「セナ・・・・・・こいつら記憶喪失だぞぅ・・・・・・。」

さっきの女性が廊下にきていた。

「まぁ・・・・・・疲れたんだろうさ。ゆっくりおやすみよ。」

『ありがとうございます。』

三人でお礼を言う。

それから思わず笑いだす。

なつかしいほほ笑みだった。

とても心地のいい・・・・・・。

「このままずっと。なんて・・・・・・思ってしまいますね。」

「へっ?」

「おまえ達変なところあるよな。」

「ムッ!?変なところとか失礼じゃない!?」

するとミョンハクがメイアの脇腹の部分のスリットから見えた傷口に目をやった。

「・・・・・・おい。その傷はどうした!?」

今だに血が出そうなほど生々しく赤い傷口に手をあててみる。

「昔から・・・・・・あったと思う・・・・・・。」

「へぇ。」

「そんなことより!聞いた!?ここにカードあるかもしれないって!」

メイアが話題を変えようと焦っていたときルルスがスェナを呼んだ。

「あの。セナさん。」

「なんだ?どうした。」

「カードについて詳しく知ることのできる場所ってどこですか?」

「あそこだよ。」

指差したのはどのビルよりもずば抜けて高いビル。

「センター・インポータントビル。でも、警備が厳しくて誰一人として近付けちゃくれないんだ。」

「そうですか・・・・・・。」

「ま。歴史ぐらいなら教えてくれるんじゃないか?」

するとさっそくメイア達は出口をあけた。

「ありがとうございます。行ってきます。」

そして東洋魔法で体を浮かせると歩きだした。

「あ。ちょっ!ぁあ・・・・・・行っちゃった。あそこ、都民にしか歴史を教えてくんなくて、外人なんか入れてくれないんじゃなかったっけか?」

そんなこと関係なしに宙を歩き回る三人。

「ねえ?ルルスちゃん。頭の中でずっと誰かがしゃべってない?災いとか・・・・・・予言とか。」

「でも、どなたでしょう?ごく当然のように話していらっしゃいますけど・・・・・・。」

「村の弱小化。災い。村には戻れない。だぁぁぁああっ!わけわかんねーよ!」

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