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記憶  作者: 半月
16/120

16・別れと新たな出会い

さて・・・・・・前の世界とお別れをして新世界に到着しましたね。

無理矢理強制的に次の異世界へ飛ばされたルルス、メイア、ミョンハクの三人はそのまま地面に叩きつけられた。

「一瞬体が浮いて浮いたらそのまま地面に叩きつけられた感じだな。まだ体がなんかおかしい・・・・・・。」

首辺りを打ったミョンハクは首をしきりに動かしながら言った。

「どうやら、用が済んだら一休みして強制転送みたいですね・・・・・・。」

「てゆーか、ここ・・・・・・森・・・・・・?」

目の前にも真後ろにも木が生えていて、雑草などがうっそうと茂っている。

「ジャングル・・・・・・ですかね?」

するとメイアはある一本の大木に駆け寄る。

「みてぇ・・・・・・大きい木・・・・・・。」

そこには本当に大きな木があり、表面はボコボコとしていた。

周りの木は一度触れば土やらなにやらがたくさん落ちてきそうなほどの大木なのに、この木一本だけはどの木よりきれいで大きく、虫さえ寄り付いていなかった。

「変ですね・・・・・・辺りに村があったのは現在ここにいる地点から約587程前のはずなのですが・・・・・・。」

ルルスが魔法をつかって調べていた。

「でも、人がいた事だけはたしかだろう?」

根っこに絡まっている人が残していったのであろうものを指差す。

赤と黒の薄汚れたまだら模様。

くいで指してあるらしく、もう何がどうなってるのかさえもう謎だ。

「メイアちゃん・・・・・・この木・・・・・・この木の中にカードがあります。この木はカードを体内に宿しています。これだけの魔力を自分の体のなかに取り込んでしまわれるなんてお強い木なんですね・・・・・・。」

「カードがっ!?どけっ。切る!」

ミョンハクは剣を構える。

「まって!ダメだよ!この木を切っちゃっ!」

「なぜだっ!?」

何故って・・・・・・だって、昔の人が神とまであがめた大切な木をそんな簡単に私たちがバッサリ切っちゃっていいものなの?

「・・・・・・カードが。切れちゃうかもしれないよ?」

「じゃあどうやって取るんだよ!」

ごくりとメイアが唾を飲む。

「私が・・・・・・やってみる。我がアイテムよ、そなたの主となり旅をともにする契約者、メイアが願う。我に力をかしてほしい。」

本を開いた二ページめを読みほすと、本から光が発される。




出てきたアイテムは・・・・・・。









拍子抜けしてしまった。


ブーメランだったのだから。

「ブーメラン?」

「何に使うんだ?そんなの。」

間抜けな声があたり一面にこだまする。

「分かんない。まぁ。いいや!ループっ!」

空中にブーメランを放り投げる。

とたんにブーメランは少しボロいマントへと姿を変える。

「すごい・・・・・・。」

目の前にある大木がどんどん小さくなっていく。

もちろんメイア一人の魔力では500年も前はいけない。

だが、実際には“三人の関係”を払ったアイテムがとてつもない魔力を正式な主人とするメイアに送り込んでいた。

次々に景色はかわっていく。

ついにカードを見つけた。

ループを止めて手を伸ばしたとたん・・・・・・。

「誰だっ!その聖なる木に触れようとする奴は!」

声が聞こえてメイアはあわてて手を引っ込める。

「え?やっぱりこの木って・・・・・・こんなに小さいときからでも神様として崇められていたんですか?」

「やっぱり?」

はっとした。

メイアはここから言えば“未来”から来たのだ。


旅人のはずなのに知ってたらおかしいかな?

どうしよう。

余計なこと口走っちゃったよ・・・・・・。

うわぁぁん!!

ルルスちゃん!ミョンハク君、助けてぇ!

錯乱に陥った。

「そのカードは・・・・・・この村に災いを起こしたんだ。」

その人は勝手に話しはじめた。

どうやらこの辺りに住んでいたとされる村人らしい。

「他の木ではカードが封印できず、皆枯れてしまう。だからこの木を神と崇め、大切にしていこうとこの前決めたばかりだ・・・・・・そんなことも知らないとは・・・・・・おまえ、どこからきた?」

「異国からです。あの、そのカードを戻した方って?」

「旅人さ。誰とも知らない。」

メイアはすぐに村人がもっているくいに目を向けた。

「あ。その(クイ)って・・・・・・。」

「知ってるのか?これは闇と光りつまり、神という印だ。これをこう、根っこに差し込むんだが、なんせ、神の証だからいろいろ決まりごとが多くてな。」

メイアはしばし他の事を考えていた。

このカードをカードの状態にした人って誰だろう?

どんな人なんだろう?

それに私たちの記憶なのに私たち以外に封印できるものなの?

大体、カードの力を利用しないで置いていくなんて・・・・・・。

そして村人が目線を少しずらしたときにメイアはカードをつかみ、ルルス、ミョンハクのもとへ急いだ。

カードの色は赤茶色。

つまり、ミョンハクだと思われる。

「ただいま・・・・・・はい。ミョンハク君。」

「お、おう。」

カードは体内に流れ込むように消え、視点が定まらなくなったミョンハクがそこにはいた。

♪.゜・゜。・.♪・゜.

懐かしいメロディが流れていく。

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