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記憶  作者: 半月
110/120

110・四人

「お疲れ様でした。私達はあらかじめ忠告いたしましたが、それでもこの結果に満足ですか?」

満足などしていないものの、静かにうなずく。

「人は強い。でも同時に弱い。だからこそ無限の可能性があります。ちなみにあなた方の治療は彼女達がしました。闇の欲望はすべて私達が手を抜いてしまったために招いた事件でした。私達の闘いに、あなたたちを巻き込んでしまって本当にごめんなさい。」

「いいえ・・・・・・きっとこうならなきゃ俺ら、出会うこともなかっただろうから。」

ミョンハクが静かに言った後、堪え切れぬ涙をセタと共に数滴流した。

「過去にするには・・・・・・少し早いかも知れませんよ。さあ、次の世界へ旅立ちなさい。その時、貴方達の記憶がどうなるか決まるでしょう。」

そして二人は新たに世界へと旅立った。

あと二人を残して・・・・・・。



「何で俺等の記憶からあいつらの記憶が消えねえんだろうな?」

ミョンハクが鼻をすすりながらセタに尋ねるとセタは方をすくめて少し笑った。

「ミョンハク君、何してるの?」

「セタ、お久しぶりですね。とは言っても・・・・・・同じ時間を過ごしていたかはわからないわけですが。」

呼ばれた自分達の名前に振り替えるとそこにはメイアとルルスがいた。

服は今までのものでも闇のものでもなかった。

「え・・・・・・?」

「なんで・・・・・・。」

セタもミョンハクもキョトンとするばかり。

そんな光景を光は見ていた。

「“また”未来を変えましたね?まったく。あなたという方は。」

「変えてはいませんよ。はじめから言っていたでしょ?可能性は無限だって。彼女達が最後の最後にあの意志を私に伝えなければ・・・・・・彼らも彼女達に会うことはなかったでしょうね。彼女達の体は半分でも元に戻ったのが奇跡だったほど闇に改造されていたのですから。でも・・・・・・奇跡は起こるでしょう?今、この場所、この間にも。」

「ええ、先見でみた未来とはまったく異なる結果になりました。」

「闇も騒いでいましたね。短気なあのミョンハクという青年がヤケを起こし、二人に切り掛かるはずだった・・・・・・と。そして彼らは死ぬはずでした。そして使いたくない最終兵器を使わずにすんだことは不幸中の幸いとも言えるでしょう。」

「最終兵器・・・・・・?まさか彼女達に己の体と己の心で戦わせるつもりだったんですか!?」

「いざとなれば・・・・・・そうなる予定でした。でも、彼らは成長している。手を加えずに成長する前の卵に先見をしても意味はありません。最終兵器は恐ろしいものです。」

「そりゃそうですよ!己の心と体で分離して、体がないがために痛みを感じない心と、体があっても元々痛みを感じない器。心に体がないために直接攻撃が出来ない器と、魔法しか使えない心、同等の魔力で戦い会ったら結果は・・・・・・相討ち。それですべてを消し去り、闇の企みを阻止しようとしたってことでしょう!?つくづくあなたは抜かりがない。恐ろしい方だ。」

「誉め言葉ととっておきますね。」



そして再び四人に戻った一行は・・・・・・。

「ミョンハク君やセタ君が泣いてるよ~?」

「アホッ!泣いてねえよ!」

「メイアちゃん、あまりちゃかしてはいけませんよ?」

「な、なんでここに?」

メイアがミョンハクとセタをからかい、ミョンハクは意地を張り、ルルスはいつも通りにクスリと笑い、セタはまだ状況が飲み込めずにうろたえる。

「今までの能力と引き替えに存在してみたいと頼み込んでみたのですよ。」

「本当はダメだったみたい。だからあのサヨナラした時、本当は私達が消えると同時にミョンハク君とセタ君の記憶からもいなくなるはずだったの。私達が存在しちゃいけない存在なのは・・・・・・二人とも知ってるよね?」

セタとミョンハクはうなずく。

「けれど、何故でしょう。気付いたらこの世界にいて、しばらくしたら貴方たちが来たんです。」

「私の能力はすべてなくなっちゃった。だから体が重くて。」

そういって二人の前で一回転してみせた。

「私は先見の能力だけ残されました。これは次の世界に行くのに必要なのだとか。」

「次!?」

ミョンハクが驚く。

「ええ。」

「でもさあ、LLS0025だった時のルルスちゃん、スッゴいセクシーだったよね!」

ミョンハクとセタが吹き出した。

「な、な。な?」

「何いって!」

二人してあわてているが、何故あわてているのか本人達はわかっていなかった。

「あら、私はSMC2995の方がセクシーだったと思いましたよ?」

「えー?SMC2995って自分の格好に興味ないみたいで自分のこと全然見ないし、私はLLS0025ばっかり見てたからルルスちゃん、セクシーだなあって思ってた。」

「私もそうでした。LLS0025はまったく格好を気にならさないんですよね?」

二人で顔を見合わせると笑った。

「アハハッ!でも・・・・・・不思議だね。人格の基本は私は玖波已って国の杜欄って人なのに・・・・・・ここにいるのはメイアって名前の人間なんて。」

「私はライランのガルディッアーノという方でした。少し混乱しますよね。体は器で器の名前はLLS0025、人格や魔力、体の提供はガルディッアーノという方のコピー。心だけルルスなんて。」

「私達の・・・・・・体じゃないもんね。」

「そんなの関係ない。二人は二人で俺達と過ごした大事な仲間だよ。」

セタが笑った。

「次の世界は・・・・・・どこでしょうね。」

「さあ。それよりミョンハク君が私の髪の毛切っちゃったからまた短くなっちゃうよ~。」

「いいじゃないですか。似合ってるんですから。そうだ!私はガルディッアーノさんではないという印に髪の毛を私も切ろうかなって思い立ちました。いかがでしょう?」

「えー?もったいない。こんなに綺麗な髪なのに。」

「では・・・・・・胸のうえ辺りはいかがでしょう?」

「髪の毛が縛れなくなっちゃうよ?お団子・・・・・・みたいな。」

「大丈夫ですよ。」

「ルルスちゃんが・・・・・・それでいいならいいけど・・・・・・。」

ルルスは髪を切り、右斜め上にお団子をつくり、左前に緩やかなカーブがかかった長い髪がでるような髪型になり、メイアは髪の毛の長さはこれ以上変わらずに量だけ少し減らした。

その日は全員、眠りについた。

ルルスは夢の中で先見をした。

四人で何かと戦っていて・・・・・・その何かがセタの・・・・・・お母様?

パチッと目を覚ました隣にはメイアがむにゃむにゃ言いながら寝ていた。

その寝顔を見てからふっとルルスは笑った。

こう見ると私もメイアちゃんもただの少女・・・・・・ですよね。

なのにここにいる四人が世界を守ったり危機に陥れたり・・・・・・そんなこと、誰が考えたでしょう?

たったこんなちっぽけな17歳の四人に世界すべてが左右されていたなんて。

誰も信じないでしょうし、誰も知らない勇者たち・・・・・・すべては未来を変えるため。

ここに生きる四人全員は本当は生きていられるはずではなかったと・・・・・・ミョンハクやセタが気を失ってるときに聞きました。

未来を変えすぎると世界を変えてしまう。

かつて私達の記憶カードが新しい文明をいくつか築いていたのを壊していたように。

だから世界を変えすぎないように未来を変えるのは大変だと。

次の世界はセタの惑星こきょう・・・・・・戦うのはセタとセタのお母様で、私達が手伝えるのは途中まで・・・・・・セタが私達を決壊に閉じ込めてしまうから・・・・・・私達を守ろうとしてくれて・・・・・・でも・・・・・・同時にこれは自分の戦いだからといきまいていて・・・・・・。

私には何ができるでしょうか・・・・・・。

次の世界でセタに・・・・・・何がしてあげられるでしょうか。

「んん~?」

メイアがあくびをしながら起きた。

「あ、おはようございます。メイアちゃん。」

「おはよう。ルルスちゃん。」

「いよいよ始まりますね。」

「光さん、言ってたもんね。次戦わなくてはいけない国は・・・・・・エデネ=ティクオ。セタ君の故郷だって・・・・・・。」

「ええ・・・・・・それが終われば・・・・・・。」

「私たちの帰る場所がなくなる・・・・・・だったよね。」

「ええ。」

「ねえルルスちゃん、私、能力を失ってここにいて、よかったと思うけど・・・・・・失うのも勿体ない能力もあったね。」

「何を。」

「私なんか体は重いし眠いし夜はまったく景色が見えないし、危機も分からなくなったし・・・・・・俊敏さがなくなっちゃったし。でも何より・・・・・・ルルスちゃんと通じあいで話ができなくなっちゃったことが一番かな・・・・・・秘密のお話みたいで楽しかったんだけど。」

「メイアちゃんったら。何をいいだすかと思えば・・・・・・そんなことですか。」

「ええ、そんなことですよーだ。」

二人は顔を見合わせるとふっと笑った。

ミョンハクとセタが起きだし、昼になると異世界、セタの故郷、エデネ=ティクオにとんだ。

そのことを知っているのは今のところ、メイアとルルスの二人しかいない。


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