11・新たなもの
「あのぉ。」
メイアが声をかけると、ルーナは振り返り、言った。
「まだきてないぞ。メイアと言ったな。おまえは私に何が聞きたい?」
「じゃあ、あなたはこの町のどーゆー地位にいる人?」
「そうだな。元長の娘といおうか。元国王の娘と言おうか。そんな感じだ。」
ガタガタと音がしてルルス、ミョンハクの二人がおりてくる。
「あ、二人とも。」
「では、手順を追って話すが、私はとにかく偉い人の娘で、この国のなかのこの町だけには、昔いろいろあって。わけあってだが、魔法を嫌う。だから外から来たものにはみんな神経を尖らすんだ。ここはもともと魔力のある者達で栄える魔法使い達の聖地であった。もちろんそんなところがあれば力だけを狙ってくる輩もいるだろう?おかげで魔力をもたない人間が巻き添えを食い、次々と殺されていった。ある時は町や、村ごと滅んだ。またある時は虐殺された。私の父と祖父は、平和のために魔法を使おうと思っていた。だから立ち上がったんだ。この町を救うために。この国を救うために。そしてこの国に再び平和が訪れた。父と祖父だけを残して・・・・・・父はこの町にフィールドを全体にかけると、こと切れたそうだ。祖父はそのまえにすでにオダブツだった。もともと病弱だった母のお腹に私がいたときの話だ。母は、私の命と引き替えに死んだ。死ぬべきは私だったのかもしれないのに。親の記憶なんて何一つありはしない。そして微弱ながらに魔力を持ち合わせた私は町の者。魔法を嫌うもの達に命を狙われている。まぁ、全員に狙われてるわけではないがな。ほんの少しでも魔法を持ち合わせたことが憎いらしい。私だって親だって魔法なんかなければ死んだり悲しんだりなんてしなかったのにっ!・・・・・・とにかくおまえ達も気を付けろ。」
「そんなことが・・・・・・。」
メイアが、俯いた。
「お淋しかったのですね?ですが今はまんざらでもないご様子で。」
ルルスが顔をかしげながら言うと、ルーナはかすかに笑った。
「ああ。悲しみは不思議なほど抜けたね。ああ、そういやあんた達と波長のよく似たカードを知ってるよ。地下にある。みにいくか?」
『はい。是非。』
三人の声がかぶった。
そのことに、そこにいたルーナも含め、全員が驚いた。
「そのカードはな、私のような魔力ではちっとも扱えないのだ。これまた魔力のないもの達にはカードにさえ触れられなくてこうスッと透けてしまうのだ。」
手振りを加えながらルーナは、話す。
蝋燭に火をともし、地下に行って、数々のドアの前を通ると、そこには青いカードがあった。
青いカードに描かれた月と太陽のシンボル・・・・・・。
東洋のマークだ。
今回は短いですがお許しください。