102・伝わらない
私の隣にいたのは・・・・・・そばにいてくれたのは・・・・・・どんな時だってミョンハク君だった。
ミョンハク君の不器用な優しさに気付くのが遅くて。
でもそんな優しさに何度も私は救われてて。
気付いたの。
私、ミョンハク君もセタ君も二人とも大好き。
でも、セタ君は見るとまだすこし辛い。
少し辛いけどミョンハク君と二人になる前より全然つらくないの。
全部、ミョンハク君のおかげだね。
「空元気・・・・・・じゃねえの?」
ミョンハクはメイアの言葉を聞けば聞くほど素直に受け入れられなかった。
俺は・・・・・・見てたから。
知っていたから。
メイアがセタを見てたことも、話すだけで顔を赤くしたところも。
見るたびに自分の居場所がなくなるようでいつも意地悪ばっか言って。
こいつにガキって言ってたけど・・・・・・どっちがガキだよって思う日が絶えない。
だからこそ、無理してるようにしか見えねえんだよ。
お前のその、ヘラヘラした笑顔は・・・・・・。
「なんで・・・・・・?」
急にメイアの表情が沈んだ。
「冗談で軽々しく好きとか言う奴じゃねえだろ?」
メイアはどうしたらいいのか分からなかった。
違うよ・・・・・・私は・・・・・・・ミョンハク君に感謝してるの。
ねぇ、どうやったらこの気持ち・・・・・・伝わる・・・・・・?
「空元気じゃ・・・・・・ないよ?私・・・・・・私は・・・・・・ミョンハク君がいてくれたから・・・・・・今、笑ってられるんだよ?」
プイッとミョンハクが顔を剃らした。
「それじゃまるで告白みたいじゃねえか。そーゆーことは軽々しく言わねえの。」
「軽々しくなんて・・・・・・言ってないもん!もういいよ!」
メイアが急に勢い良く立ち上がったせいで仲良く話し合っていたルルスとセタがメイアに注目した。
ズカズカと荒々しく歩きだしたメイア。
「メイアちゃん!?ちょ、ちょっと、どちらに?」
「少し先まで!頭冷やしてくる!」
「そんな・・・・・・もう夕方ですよ?」
「作戦決まってるし!私必要ないし!いなくなっても平気じゃない!?」
メイアにしてはいつもよりずっと刺々しい言葉を吐き捨て、本当に怒っていると言った感じだった。
ズカズカ数歩メイアが歩いたところでメイアは消えた。
空が紅に染まっていた。