100・気持ち
次の世界こそもしかしたら最後かもしれないとメイアは思った。
もう、終わりなのではないかと・・・・・・そう思い、セタを盗み見たが、セタは特に何も思っていない様子だった。
セタを盗み見た不注意でメイアの足のしたに何かが通って行くのを気付くのに少々時間が掛かった。
「にぎゃっ!?」
メイアは飛びのき、バランスを崩してセタの方向に倒れこみ、セタは立っていたが、メイアはセタにしがみついた。
メイアは顔を赤らめ、パッと離れると下を向いた。
「なんだったんだろう。みんな何か感じなかった?」
「何も。」
ミョンハクがムスッと答えた。
「ミョンハク君?何怒ってるの?」
「それより先に行きませんか?つったっていても仕方ありませんし。」
ルルスも素っ気なくメイアに言った。
「ルルスちゃんも怒ってるの?」
「それよりメイア、なんか感じたって何だ?それに、大丈夫か?」
セタがメイアを真っすぐに見る。
メイアは思わず少し視線をそらし、頷いた。
「大・・・・・・丈夫。ありがとう。それでね?この・・・・・・あれ・・・・・・私、靴はいてた?」
そう。それは前の前に片方靴をなくし、前の国では両足裸足だった足には前にはいていた靴があったのだ。
「まあ、いいか。何でもない!気のせいかも。先に進みたいよね?行こう!」
ニコリとメイアが笑い掛け、スタスタ前に進む。
するとスルリとどこかを抜け、いつの間にか二人ずつになってしまった。
「メイア、ルルスとミョンハクは?」
「消えた・・・・・・?どうして!今、そこを通るまでは居たのに!」
メイアは振り向かずに答えた。
「戻ってみよう!」
メイアはセタに言って走りだしたが、ルルスとミョンハクの二人は見つからずに日が暮れてきたので大きな大木の下で休むことになった。
「ねえ、セタ君、どうしてルルスちゃんとミョンハク君はいなくなっちゃったのかな。」
膝を抱き抱えながら唐突に話しはじめたのはメイア。
「さあな。」
「セタ君はルルスちゃんのこと・・・・・・好き?」
「仲間だからな。それなりに好きだよ。」
「私は?」
「同じ。」
メイアは少し考えた。
ねえ、セタ君・・・・・・誰かと同じすきなんかいらないよ。
私が、セタ君の“特別”を求めてるって知ったら引く?
もうもとには戻れなくなる?
でも、これが最後のチャンスかもしれないのに。
異世界で暮らすセタ君との旅・・・・・・。
「仲間以上になる人は・・・・・・いない?」
「・・・・・・いないだろうな。つくったら・・・・・・苦しくなるだけだから。」
そんなこと・・・・・・言わないでよ。
「じゃあ・・・・・・もしセタ君を好きって人が旅先で現れたら?」
「わからない・・・・・・。」
しばらくメイアはうつむいてから重々しく口を開いた。
「私のこと、嫌いじゃない?」
「嫌い?何で?」
「じゃあ好き?」
「まあ。」
「ねえ・・・・・・もし・・・・・・私が・・・・・・仲間としてだけじゃなく・・・・・・その・・・・・・セタ君のこと・・・・・・好きって・・・・・・言ったらどうするの?」
ついに自分の思いを伝えることを決心したメイアですが……セタの反応はあいまい。
さて、この先はどうなってしまうのでしょうか。
次回をお楽しみに!!