11話 思い
佐藤実
この物語の主人公で余命三ヶ月と宣告される
残りの人生で石田さとりを独りから救うと
決意する。 もう最期が近づいている。
石田さとり
人の心が読めるという特殊能力をもつ少女
妹の玲奈の死を受け入れることができず
幻覚を見ていた。
そして実の秘密を全て知ってしまう。
石田玲奈
実に姉さとりを救ってほしいと頼んだ張本人
しかし2年前すでに亡くなっていたことが判明する
享年10
僕は病院から抜け出しさとりを探していた。
家にもいない。無論学校にもいない。
僕は無我夢中に探し回った。
ようやく見つけたと思い安心していたのもつかの間、すでに閉まっている踏切に入ろうとする、
さとりの姿があった。
「さとりぃー!」
「えっ?」
僕はさとりを突き飛ばしどうにか間に合ったようだ。
「なんでいるの?」
「抜け出してきた」
「バカじゃないの?もう私知ってるんだよ貴方が
病気だったことしかもあと…」
さとりの目には涙がたまっていた。
「ごめん」
「…え?何が?」
「僕の病院を隠してたことあと玲奈ちゃんのこと」
「別に気にしてない」
「まぁここじゃなんだしそこの土手で話そう」
「うん」
僕達は土手まで歩き座った。
「ねぇ、なんで私に隠してたの?」
「病気のこと?」
「それ以外ないでしょ」
「まぁ心配かけたくなかった……から…」
意識が少し遠のいていく。
「…手繋ごうよ」
さとりからの意外な提案に驚きはしたがとっさに手を取った。
「僕からも聞いていい?」
「何?」
「なんで鳥が嫌いなの?」
「はい?何いきなり?」
「いやあの時のなんか嘘臭かったから」
「…私の名前…さとりっていう名前に鳥って入ってるから…なんか憎たらしかった私はこんな独りで自由なんてなかった…でも鳥は自由に飛び回って逆恨みっていうのはわかってるでもなんか腹立たしかった」
その話を聞いて納得した自分がいた。
「そう……なんだ」
「ねぇ」
「……何?……」
「覚えてる?初めて出会った時のこと」
あの時のことか僕が突然さとりに告白をした
「あなたがいきなり私の前に現れるや否や告白してしてさぁ」
「……そんな……こともあっ…たね…」
「その後将棋して私がぼろ負けしたよね(笑)
今もなお全敗してるしね」
「ハハ……さとり……結構弱い……よね……」
「うるさいよ…でなんだかんだで同棲する感じになってさ図々しく頼んできてさ」
「…………それが僕の取り柄だから………」
「それ前も聞いたでデートもしたっけそれで不良に絡まれてでも実が助けてくれて初めてあなたがカッコいいと思った」
「……………………………………」
「ねぇ実?」
「…………………」
「そっか…」
私の目からは自然と涙が溢れた。
「…さようなら私の…最愛の人…」
私は土手で泣き崩れた収まらなかった感情が溢れ出した。でもその時…
「………はっ!」
「え?」
「え?」
「実?…え?さっき死んでたよね」
「死んでません」
「いやさっき…」
「死んでません」
え?…さっきまであんなに苦しかったのに…
今やそうでもない。
「もうびっくりさせないでよ」
「ごめんごめん」
「まぁいいや帰ろっか」
「さて帰ろうか僕達の家へ」
「は?」
「え?」
「いやいやあんたは病院に帰りなさいよ」
「さっき死にかけたんだから」
「え〜」
「これから治療に専念しようよ余命なんてあくまで予想なんだからだって私のおじいちゃんは貴方と同じ余命3カ月だったのに半年生きたんだよ
だからまだ希望はあるよ」
「…たしかにそうだね」
僕達は病院前で別れた。
「明日もお見舞い行くけどなんか買ってきて欲しいものとかある?」
「じゃぁプリンで」
「…え?まぁいいや分かった」
「よろしく〜」
「はいはい」
僕は病院に戻った。
しかし、この好調な状態は長くは続かなかった。
tobe continued
本当に更新頻度遅くてすみません。
今回も御愛読いただきありがとうございます。
リアルのほうがマジで忙しく書けませんでした。
(言い訳)
次回たった三ヶ月の恋 最終回
感動のラストを見逃すな!
次回も是非御愛読のほどよろしくお願いします。