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一課長、臨場
「どうしました?」
温厚そうな捜査一課長が顔を出した。名を大杉善次郎と言う。
大杉一課長、ご迷惑をおかけします。
いえいえ。公安には以前、お世話になったのでね。
眼鏡に黒いスーツの大杉一課長に隠された過去。
彩香は一課長の背中を見て、敬礼していた。
まるで父親のような一課長。何も言えないのであった
「一課長、新井警部が…。」
誘拐ですか。特殊捜査係を
大杉は新井有紀刑事誘拐事件の捜査指揮を執ることにした。
「良いですか。皆さん。我々は新井有紀警部の救出を最優先に動きます。」
特殊捜査係の中田と言います。大杉一課長がどうして?
中田警部にはお話しなければなりませんね。新井有紀、越川達之の両名を指導したのは
私、大杉善次郎なんですよ。
そして、公安にいたとき、死にかけたのもね。
紺のスーツの特殊捜査係警部 中田聡は二人のエースの恩師が大杉一課長であることを知らずにいた。
あの爆発事件で負傷したのが大杉一課長って…。