あの日、交わした約束
Episode3 選択
私はこれからどうしていけばいいのか…。
私は孤独になり、一人で生きていかなくてはならない。
そんなことを考えていると、グットとジーが戻ってきた。
「落ち着いたかい?そういえば名前を聞いてなかったね。君の名前は?」
「はい…先ほどはありがとうございます。私はメグって言います。」
「そうか、メグ。ここはアクアロードにある二本の梛子の木という場所なんだ。ちょうどリーフロードからオルビスに向かう経路の途中にあるんだ。」とグットは丁寧に教えてくれた。
「聞いたことがないですね…。グットとジー、そもそもあなたたちは何者なんですか?」
「俺かい?俺はロマンを求める髭…」
「ジー!そういうのいらないから!僕たちは旅をしてるのさ。ここ最近、モンスターの動きが活発になってきてね。町とかにも被害が出てるのさ。無論、君の事故もその被害の一つさ。僕たちはその調査を行っている。」
「そうだったんですね…。なら、私も無関係ではないですね。」
その通りだ。私はもう巻き込まれてしまった。大事な家族を失った。同じ悲しみをほかの人には味合わせたくはない。なら、この被害の原因を突き止めて解決したい、そう思っていた。
「まぁそういうことになるね…。もし、君が僕たちについてくるって言ったとしても僕たちは君を連れてはいけないよ」とグットは私を見透かしたように言った。
「え?なんでですか?私もこの被害を止めたい!」
「ダメだ。君もわかってるだろ?この旅は危険なんだ。君の船を襲ったバルログよりもはるかに強いモンスターとも戦うんだ。今のままでは足手まといだ。」
「おいおい、グット。そういってやるなって。確かに嬢ちゃんを連れていくことはできない。だけど嬢ちゃん。嬢ちゃんが今よりも強くなればいい。道は違えど、同じ目的ならいずれ嬢ちゃんとも出会うだろう。」とジーが真面目な表情で言った。
あ、この人。普通のことも言えるんだなぁ。
「今、嬢ちゃん。この人も真面目なこと言うだとか思っただろ?」
「い、いぇ。そんなことありませんよ!」
なんて鋭いんだ。
「でも強くなるって…具体的にはどうすれば……。」
私には強くなるの意味がわからない。
狩りはしたことはある。
デンデンの殻を取るためにデンデンを倒したり、胞子がほしいためにスポアも倒したりもしていた。
たまに大物でピグも倒してたなぁ。ピグの肉は意外においしい。
「確かにジーの言うとおりだ。強くなるかぁ…そうだなぁ。色んな町に色んな戦闘訓練を積んできた人達がいるからその人たちに弟子にしてもらうのがいいんじゃないかな。」グットは優しく教えてくれた。
「わかりました。私強くなって見せます!それに、ニュースで生存者がいないって言ってても私が生きてた!ということは、家族も生きてるかもしれない。ならば私も強くなって家族を探しに行きます!」
「嬢ちゃん、良い顔してるよ。君なら立派な冒険者になれるさ。」
「僕らはもう行くよ。君が強くなったら、また会えるさ。」
「はい!お二人ともありがとうございました!またいつかお会いしましょう!」と私は笑顔で見送った。
すべてを失った私だが、活路ができた。
私は私の日常を取り戻すべく、新しい世界に一歩踏み出した。
~つづく~