一話
賞取れるように頑張ります!
一度、みんなに俺の性格の説明だけをしておこう。何でそんな説明をするのかと言うと、俺ある意味能力0だから。馬鹿だしアホな事もする。勿論テストの点なんか前の期末で最高10点。最低は0点。あ、0点は4教科ありました。しかも俺は高二でそろそろ頑張らなくちゃなという場面でこんな予想外な点数のテストが俺の机に置かれている。まず名前を確認する。
間違いなく俺の字で、飯塚 悠人と書かれていた。
…誰かが俺の机に間違って置いたんじゃねぇのかよ?名前もイタズラで俺の名を書いて。ほら今なら何もしないから出てこいよ。俺このままだとクラスの中、いやもしかしたら学年一頭が悪い奴になっちまうじゃねえかよ。一瞬隣の奴に名前だけ消してテスト交換しようと持ち掛けようとしたがやっぱり止めた。
理由は考えてみるとそれはとてつもなく惨めだから。それにどうせテストの点は先生が知っていて記録してあるんだ。んなの奪ったとしても全く良い意味がない。だったらテストの紙をクシャクシャにして捨てようかと思ったがそれも止めた。理由はあまりにもガキすぎるから。
ーー俺の人生、良いことがなさすぎるだろ
✴︎
こんな俺でもだが、一応友達は居る。
一人だけどな。まぁ元から俺が友達作りに向いてない性格をしてるからこんな結果になってるんだけどな。
俺の唯一の親友の名前は春坂 光一。あ、勿論男だぞ?こいつとは高校からの知り合いで仲良くなったキッカケは、最初同じクラスでその時のぼっち同士だったから。
…とまぁ空気が悪くなるからそれは置いといて。
「で、何でお前俺についてくるんだよ」
「しょうがないだろ?俺友達居ないし。お前もだけど」
「お前最後の一言だけ言わなかったらしょうがねぇなで終わったんだけどな」
俺は光一の尻に一発蹴りを入れると、惨めな声が聞こえてはい終了。後は昼飯食って帰るだけだ。
光一を無視して食堂の券を買うと行列の列に並ぶ。だがそんなの待ってる程俺は優しい人間じゃねぇから
「ごめん俺アンタより早く並んでたのに君に追い抜かされちゃったからさ、どいてくんないかな?」
「は、はい?」
質問に対する答えを聞かずに前に進んでいった俺を抜かされた誰かさんが意味不明なんですけどみたいな顔をして見つめてくる。んなのは当たり前に無視して前に直行し、レジ前に並んでいる女子に話しかける。
「悪いんだけど、俺急いでるから先行かせてくんないかな?すぐ終わるから」
また俺は質問に対する答えを聞かずにレジ前に言って券を渡す。うしっ、このままダッシュで食べてダッシュで教室に戻ってダッシュで寝るか!
直ぐに出来る料理を両手で取ってゆっくりと歩いて席に着く。そういえばこの近くにいた光一が居ないがこの際無視だ。
ポケットにあらかじめ入れておいた箸を取り、掴む。
一口食べようとした瞬間…俺の箸はどこか遠い場所に飛ばされていった。…えっ?
「ちょっとアンタ、私の順番抜かして料理取ってるんだから私の料理が来るまで待てば?セコ犬」
「あァ?」
まずアンタだれ?
俺の知り合い?けど俺お前に会ったことねえんだけど。しかも俺の箸が飛ばされちまったんだから今日の昼ごはん俺一口も食べられないんですけど?
「言葉遣いもなってない。何アンタ?脳みそに基礎は入ってる?」
「はぁ?お前こそ何だよ。しかもお前も言葉遣いなってねぇし」
「いつもは違うの」
どーだか。
まずそんな事よりアンタは人が傷つきそうな言葉を連発しすぎだろ。
少しは人のこと考えて言葉を使え。弱気な奴もいるんだし?おっ、今の台詞カッコよかったな。