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7話

5月7日

東京・首相官邸

恰幅の良い老年の男が軍服の男に紙を渡されると「……………な、なんだと!」と言い持っていたマグカップを床に落とす。

その男の名は山本五十六、現在の大日本帝国の首相にして、連合艦隊司令などを歴任し、退役した1943年に総理に就任した元海軍軍人だ。

そして紙を渡した軍服の男、海軍大臣、南雲(なぐも)忠一(ちゅういち)は「はっ、在京英大使館及び外務省からの報告によりますと地中海経由でこちらへ向かっているソ連艦隊は最新鋭の戦艦ソビエッキー・ソユーズ及びマキシム・ゴルキー級重巡2、キーロフ級軽巡3と駆逐艦8で構成されている模様です」と続き、山本は彼に対して「南雲君、至急連合艦隊司令部(戦艦武蔵)に連絡してくれないか?是非とも第2戦隊の司令、猪口敏平少将(キャノン・イノクチ)を貸してほしい…………」と言う。

すると南雲は立ち上がり、交換手に連合艦隊司令部に暗号電報を送らせたのである。

翌朝、補給物資搭載の為に大湊停泊中の戦艦長門では……………

「司令、赤煉瓦と官邸から司令あてに出頭要請が来ました。なにやら作戦会議があるようで、司令が不可欠なそうです」

そう通信士官が言うと猪口少将は舷門士官に対して沖合いの二式飛行艇に向かう様に命じ、内火艇に乗り込んだのである。

その数分後には長門ら在泊中の艦艇乗員が手を振り見送る中、猪口少将を乗せた二式飛行艇は空へと舞い上がったのである。

その4時間後、羽田飛行場へ降り立った猪口は海軍の車で首相官邸へ向かい、この日の内に山本総理主宰の会議は始まり、翌日にはバルト艦隊迎撃作戦のプランが既に立案されていた。

この日、猪口に新ポストとして古鷹型喪失によって一時解散となり新たに紀伊以下で構成される事となった第4艦隊司令に中将進級の上で任命、第2戦隊司令は大湊警備府長の鶴岡信道少将が任命されたのである。


さっそく猪口が南雲と共に横須賀へ向かうと突貫修理の中にある戦艦紀伊と停泊する最新鋭巡洋戦艦石鎚、阿蘇と重巡熊野と鈴谷と夕雲型駆逐艦があり、南雲は改めて指揮を執ってくれと

「わかりました。お任せください……………」と猪口がそう言うと彼は南雲に敬礼し、その場を立ち去り紀伊の修理現場を伺おうとする。すると突如、「しかしこれだけでは物足りない、せめて空母2艘は欲しい」と言う声が聞こえてきたのである。

声の主は第4艦隊参謀長に任命された菊地朝三少将だ。

すると南雲は雲龍型空母白根と大凰型空母神鳳の提供を確約、すぐに長崎から白根と神鳳が回航されてきたのである。

急ピッチとは言え、紀伊の修理完了ははやくとも19日後、それに対しソ連艦隊の台湾沖への来襲はその3日後、間に合うとは言え非常に時間は無い。

だが台湾駐在の戦力は非常に小さく、航空迎撃も難しく、山本総理は夜間雷撃用にレーダー装備の天山を保有する第931航空隊を新たに馬公へ配備。

同航空隊の航空機がレーダーを所持している故にソ連太平洋艦隊に対する早期警戒の任務に就かせていたのである。


一方、さかのぼる事4日前。

5月3日

午前9時、ソ連占領下の苫小牧沖には濃灰色の帝国海軍の艦船と多数の兵士を乗せた陸軍の特殊船が集結していた。

戦艦扶桑のソ連軍陣地に対する艦砲射撃と言う号砲と共に空には海鷲と陸鷲が乱舞し赤き鷲と死闘を交え、海上からは無数の鋼鉄の龍が火を噴き、破壊の限りを尽くすのである。


苫小牧には地獄の釜が開く音が聞こえつつあった……………

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