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34話

1949年1月26日

正午頃

北部朝鮮政府軍の支配下にある羅津沖の上空を30数機の帝国国防空軍の連山及び深山爆撃機が密集陣形を組んで飛行していた。

指揮官搭乗機

「…………電探に反応!物凄い高速の航空機です!」

レーダー手がそう言うと爆撃部隊指揮官で1号機機長の野島正郎中佐が顔をしかめつつ、レーダースコープを覗く。すると物凄い高速でこちらへ接近する謎の輝点が表示され、その距離は僅か10㌔に迫る。それを見た野島は即座に20㍉連装機銃の射撃準備命令を下す。

が、既に時遅し。敵はなんとソ連の最新鋭戦闘機のMiG-15。

いくら濃密な弾幕をこちらが形成しても落ちる機体は僅か。それに対して敵機から放たれる37㍉機関砲弾は一撃でこちらの機体部品を破壊し、空中分解へと追いやる。

野島中佐は通信員に僚機の状況確認を行う様に命じるも、通信からは悲鳴や断末魔の叫び声が聞こえてきて聞くに耐えない。

「機長!第3エンジンの出力低下!!」そう見張りが言った次の瞬間、物凄い衝撃が機体を襲う。 すると機体の中央部に搭載されていた金剛型戦艦用徹甲弾を改修した650kg航空爆弾が爆発を起こし、野島らの連山は海面へと落下していく。

この日を境に羅津への空襲作戦は幾度と無く失敗し、日米両国は帝国空軍の誇る富嶽及び米戦略空軍のB-36(ピースメーカー)爆撃機による爆撃計画を立案したのである。

同年同月27日

蔚山方面

多数の47式戦車(7式から変更)が大地を蹴り砂埃をたてながら進んでいた。

「それにしても連中の進撃速度は凄いものですねぇー」

そう装填手の鬼川2等軍曹が言うと車長で戦車隊長の神田中佐が「あぁ、空軍の爆撃隊もやられたみたいだしな……………」と続くと前方を走行する3(43)式戦車を母体にした46式偵察戦車から通信が入ったのである。

『………こちらテ1!セα大隊応答せよ!』無線から焦り気味の声で通信が入る。

「こちらセα1、どうした?」

神田がそう言うとすぐに偵察戦車の通信員は『敵に包囲されました!』と叫び、神田は「そうか、もうそんなとこまで敵は来ているのか……………」と呟いた次の瞬間、爆音と共に偵察車からの無線が途絶えたのである。

「各車警戒を厳となせ!」

神田がそう叫ぶと彼は東部戦線のドイツ兵の如く勇敢にも上半身を車外へ出すのであった。

「敵部隊発見!2時の方角だ!数30以上!」

神田がそう叫ぶと全ての47式重戦車及び45・44式中戦車が2時の方角へ砲塔を向ける。

「撃てぇえー!」

神田がそう言うと全ての戦車が一斉に火を噴き、北政府軍の戦車もこちらへ火を噴く。

しばらくすると帝国陸軍の戦車隊の周囲に敵の砲弾が着弾し、物凄い衝撃が彼らを襲う。

「鬼川、瀬田、東海林!無事か?」

そう神田が聞くと3人とも「無事です!」と報告する。

だが3号車が大きく炎上し、乗員1名が火達磨になりながら助けを求めて走っていた。

「敵さんもただじゃ返してくれないようだな…………撃てぇええ!」神田がそう言うと再び神田が指揮する47式戦車が火を噴くのであった。


横須賀沖

1月26日夕刻

鳳翔指揮所

「信濃はあと3日で蔚山沖へ到着します」と通信員が言うと山口多聞中将いや連合艦隊司令長官は「そうか…………報告ご苦労だった」と言うと通信員は「長官、空軍の加藤参謀長によりますと今回の空襲作戦は失敗し、爆撃隊は壊滅したそうです」と続くと山口は顔をしかめつつも「そうか、なら次回の羅津空襲は琉球打撃部隊に行わせる様に打診しろ」と言うと通信員は「はっ!」と言うと海軍式の敬礼をし、部屋を退出した。

山口は最近、司令執務室についたばかりのテレビをつけるとおもむろと半島・大陸情勢を伝えるニュースを見始める。


蔚山内陸方面で日米義勇兵及び韓国軍と人民中国及びソ連・人民朝鮮連合軍との間で戦車戦が続く頃、長崎沖では

第1国防艦隊旗艦

戦艦信濃艦橋

「おもーかーじ!」

艦長の原為一大佐がそう叫ぶと操舵手がそれを復唱し、艦は右に舵を切る。

それを見て2国艦(第2国防艦隊)司令である兄部勇次少将は「艦長。そろそろヘリをあげて対潜哨戒に当たらせましょう」と呟くと艦長も「そうしましょう」と続き、平らになった後部航空甲板から6式哨戒機が上空へと舞い上がる。


それはともかく、重巡愛宕、軽巡酒匂とその指揮下の駆逐艦陽炎、秋月、紫陽花に護衛された信濃は無事、福岡で給油を終えると蔚山方面へ向かった。


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