28話
南雲忠一は水雷戦では有能かもしれませんが、航空戦では初心者であり、航空戦については個人的には二航戦の山口多聞か小沢治三郎が有能だと思います。
日本海某所
攻撃隊を射出した琉球を中心に左右に蒼龍及び飛龍、前後に重巡那智と軽巡五十鈴が位置し、駆逐艦秋月、照月、冬月、凉月月、夕月が輪形陣を形成し、敵航空攻撃に備えていた。
琉球艦橋
「友永大佐より入電!"我、敵防空線へ侵入、これより攻撃態勢に入る"との事です!」
通信員がそう言うと司令の山口中将は「攻撃開始は0530。もうすぐだな…………」と呟く。
加来が腕時計を見た次の瞬間、友永大佐から『我、これより攻撃を開始する!』と無線が入り艦橋要員は皆緊張しだす。
友永隊所属機のある機
『これより雷撃高度へ降下。お前ら覚悟は出来たな?』と友永隊長が聞くと俺、久保塚直哉中尉を始めとした攻撃隊の搭乗員は『了解!』と答え、次々に機体を降下させる。それと同時に高橋嚇一中佐率いる爆撃隊の流星が上昇していくのが見ると護衛の坂井少佐率いる烈風が急上昇していくのも見えた。
「尾島少尉、準備は良いな?」
俺がそう聞くと偵察や航法を担当する帝国海軍初の女性航法士である尾島良子少尉が「完了してます!」と続き、俺はニヤリと微笑む。そして俺が「行くぞ!」と言うと彼女は「はいっ!」と勢い良く続く。彼女は1ヶ月前まで俺と組んでいた里富均大尉と比べ、実に生きがあう。
因みに彼女は俺が予科練に合格した1942年当時に聯合艦隊司令であった山本五十六現総理によって設立された海軍女子予備訓練所の一期生で、彼女はその中の飛行航法科首席生だ。だから偵察・航法・後部機銃操作の3つをどれも託せる真の相棒と言える人物だ。
それはさておき、俺が所属する友永隊の流星は敵艦から放たれる対空弾幕に撃墜された機体は結構あったものの停泊中の空母ナホトカや多数の巡洋艦に照準を合わせた。
「…………投下っ!」と俺が言って俺が魚雷投下策のボタンを押して機体を上昇させながら急旋回させる。理由は簡単だ。それは敵の対空機銃の射程へ入らないもしくはその有効射程に入らない為だ。もっとも中には敵艦へ肉薄して威力を高めてから魚雷を放つ猛者もいたが…………
とは言え、この空襲で空母ナホトカは急降下爆撃で甲板を撃ち抜かれ、雷撃による浸水過多で傾斜し大破。修理中のソビエツカ・ベラルシアは急降下爆撃で大きな損傷を受けて再び大修理を受ける羽目になった。更に巡洋艦1駆逐艦3着低させ、巡洋艦2、駆逐艦1を大破させた。
1月27日10時00分
空母琉球艦上に俺らの機が着艦し、周りを見回すと雷撃部隊から6機が、爆撃部隊から3機減っていたのに気が付き、俺は尾島に「敵さんも手強かったな」と言うと彼女は「そうね。殉職した隊員の中には私が練習機に乗ってた時の教官もいたわ…………」と言うと俺は「そうか………その教官の死を悼むよ」と続くと彼女は「そんな言ってもね。弔い合戦は戦果を上げて生還する事よ」と拳を握り締めて続く。
「あぁ」と俺は続くと彼女は居住区へ向かい、俺と別れた。
翌日、琉球は佐渡島沖に到着すると彼女と俺はの部隊は再び出撃命令が下ったのである。
任務は戦艦伊勢の救出に向かう日向の妨害をするソ連艦隊空母艦隊の排除にある。
今回、俺と彼女の任務は空母リガの撃破にある。リガの搭載機は航空戦艦伊勢を航行不能に陥れ、救援に向かう日向の脅威になるだろうと思われ、その撃退命令が琉球に下ったのだ。
今日も流星はエンジンの轟音を奏で空へ舞い上がろうとする。