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25話

9月27日

北海道釧路沖

空母蒼龍艦上

江草大佐ととある男が会話を終えると烈風へ乗り込み、出撃に備える。


日ソ両軍の激闘が続く北海道に向けて18機の烈風と27機の流星が向かおうとしていたのだが、その中でも12機の烈風はロケットや爆弾を主翼や胴体下に装備し、中でも6機は操縦室を覗くと帝国海軍式では無くドイツ空軍(Luft Waffe)式の電熱服を着た男が乗っていた。

この間、英国経由で帝国に到着した旧ドイツ空軍の面々だ。


「ルーデル大佐、貴官の武運長久を祈る」

そう敬礼したのは赤城飛行隊長から加賀副長を経て蒼龍艦長に着任した淵田美津雄大佐だ。すると淵田を見てルーデルは笑顔で敬礼し返す。

2人が互いに敬礼し終えると右側の射出機(カタパルト)にルーデルの烈風が固定され、もう1機は一時的に主翼を畳みつつ、左側に固定される。その烈風の主は江草隆繁大佐で、帝国海軍の急降下爆撃の神様と呼ばれている名操縦士だ。

とは言え江草は釧路撤退戦での大活躍が評価され、中佐に成り立てだったが多くの指揮官の死によって大佐へ昇格した臨時指揮官でもあり、年齢と階級が釣り合っていないとも言えたが、上層部からの支持は厚い。

ともかくルーデル・江草両隊が全て飛び立つと蒼龍の護衛艦である戦艦比叡、重巡那智と軽巡由良、駆逐艦秋月と照月が陣形を変更、単横から輪形へと切り替える。


一方、軽巡五十鈴、駆逐艦初霜、時雨と潮に護衛された輸送船団は襟裳岬の沖合いで1号型輸送艦から多数の97式中戦車(チハ)を上陸させ、同部隊は北上を開始したのである。


陸空からの反撃に対しソ連側もそれに対し攻撃を加える。

炎上する苫小牧市上空を旋回したルーデルは怒りが込み上げて来たのである。逃げ惑う住民が祖国と同様に…………


旋回しながらルーデルはソ連陣地を見つけるとすぐに急降下して機銃掃射を加え、ロケットを放って急上昇する。それに続いて江草大佐の烈風も急降下爆撃を加え、陣地に機銃掃射と同時に主翼下の125kg爆弾を放つ。

すると地上にあった陣地にあった野砲陣は大きく燃え上がる。

札幌から上陸してきた陸軍陸上部隊と苫小牧から飛来した独義勇航空隊含む蒼龍攻撃隊の航空攻撃によって札幌周辺のソ連陣地は次々に破壊されていく。


9月25日

旭川ではソ連側優性の情勢が続き、帝国陸軍の精鋭は苦戦続きであった。

「北川軍曹、準備は良いな?」と指揮官大野大尉が言うと「了解」と北川が言い、持っていた手榴弾を敵陣地へと投げ込み、腰の拳銃を手に取る。

だが次の瞬間だった、あるソ連陣地にいた狙撃手が北川をヘッドショットを加えたのである。すると北川は額から血を流して倒れ込んだのである。

「北川っ?!」と大野が言った次の瞬間、彼の背中に数発の銃弾が命中し、倒れこんだ。

そして断末魔の悲鳴をあげる間も無く、JS-2(スターリン)重戦車が大野大尉を引き潰す。


だがそのJS-2も上空から飛来した銀河21型の機銃掃射の餌食となって撃破されていく。そして上空で帝国陸軍の3式、4式、5式戦闘機がLa-1、MiG-1戦闘機と交戦は続き、両陣営の航空機が火を噴きながら地上へ落下していく。


空を煙が覆い、地上を血で染めた戦いは続く…………

強力なソ連軍の地上兵を前に帝国陸軍は苦戦していたが、彼らは彼らなりで奮戦していたのも事実であり、制空権は名寄以南はこちらのものであった。

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