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24話

ルーデル参戦!

1945年7月18日

ある男たちを乗せた英海軍(Royal Navy)のショート・サンダーランド飛行艇がアイスランド方面に向けて英軍航空基地を飛び立ったのである。


5月12日に総統が限界を感じて自決し、16日には東部のライプツィッヒが陥落。ここで新総統のレーダー海軍元帥は降伏を決意し、その噂を聞いたある空軍の操縦士は同市から同僚と共に空路で脱出。

ベルギーのサントロン(シントルイデン)基地に不時着、治安維持の英軍の尋問を受けたがそれと同時に自分をソ連に引き渡さない様に要請した。

英軍の老士官は交換条件として彼に対して自らが乗って来た機の引き渡しを要請してきた。

渋々それを了承した彼はロンドンへ渡ったのである。


この屈強な男たちを率いる男の名はハンス・ウルリッヒ・ルーデル。空軍を失い、すでにソ連にライプツィッヒまで占領されそこ以西はソ連による全ドイツ占領を阻止すべく英米両国軍が駐留し、放浪者となった。彼は国内にいる事に身の危険を感じて英国を経由し、アルゼンチンに向かおうとしていたが、ある日偶然、街の喫茶店で目を通した新聞に北海道の惨状が掲載されており、それを見たルーデルはそれを祖国の惨状と重ね合わせ感情が高まっていた。


その翌日、彼が滞在していたアパートに英空軍の士官と駐英帝国海軍武官の柳本柳作海軍大佐が訪れ、彼に対してある提案をしたのである。

「ソ連人民最大の敵と呼ばれた貴方の協力が必要です!可能でしたら、もう一度空へ飛んでいただけませんか?」

空を飛ぶ事が大好きなルーデルはそれを聞いてニヤリと笑顔を浮かべ、承諾した。

無論同地にいた部下も誘い、部下たちも承諾。後に噂を聞いた最高の相棒、E(エルンスト)・ガーデルマンも彼が所属する部隊の専任軍医として厚木で着任、そこで再会するのを知らずに。


それはともかく7月29日、米国内の移動を終えハワイへ到着したルーデルらを待っていたのは帝国海軍の誇る巨大飛行艇である2機の二式大飛だった。


2日後、ルーデルらを乗せた二式大艇は米領グアムを経しに羽田沖に到着したのである。


「ここが日本か………」

ルーデルはそう呟くと帝国海軍の通訳士官が厚木航空隊所属の96式陸上攻撃機へ乗り込む様に言い、彼はそれに従い乗り込み、厚木へと向かった。


数時間後。

厚木に降り立ったルーデルを待っていたのは新たな愛機となる長大な主翼を持ち、胴体下に500kg爆弾1発と主翼に4つの地上制圧用ロケットを搭載可能な烈風22型戦闘爆撃機だ。

彼はまず急降下爆撃が可能なのか聞き、可能だと解答を受けると「そうか…………それなら良いだろう。ありがとう」と言う。


そしてこの日から1週間の間、ルーデルらはみっちりと空母蒼龍で空母発着訓練を受け、次の週からは標的艦摂津に対する爆撃訓練を実施。8月23日には空母瑞鶴に乗艦して北上。8月末の大規模反撃作戦に参加する準備が整ったのである。

一方で陸軍もある男を受け入れた。男の名はハンス・J(ヨアヒム)・マルセイユ。ドイツ空軍の少佐で、最後までベルリン防空に尽くした精鋭だ。

彼もまた、陸軍の5式戦闘機の搭乗員として再教育を受け、再び空へ飛び立とうとしていた。


ある者は愛する人の為、ある者は自己欲求の為、そしてある者は義理の為。


今まさに極東で新ドイツ空軍の戦いは始まろうとしていた。



烈風22型戦闘爆撃機

発動機

火星発動機1型甲(2300馬力)

最高速度 657.8㌔/h

武装

20㍉機銃4、12.7㍉機銃2

胴体下

500kg爆弾or800kg爆弾or増槽1

主翼下

125kg爆弾4or250kg爆弾2

対地ロケット4or増槽2

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