表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/1045

杯ノ五十七

 流れ出る水の奥が、薄ぼんやりと光っているのが見える…青年は少し感心した様な声を漏らして、

(上手い具合に月明かりがここまで届いているみたいだな。昼間なら、水面(みなも)の奥に日の光を垣間見ることが出来るって訳だ。…吸血鬼にしては、ずいぶんと趣味の良いインテリアだよな。)

と、もっと近くで静かな水流の奥の月光を覗こうとして…青年は岩の裂け目のすぐ傍に、月の光よりも明らかな、人の手によって掘られたと思しき(うろ)の存在に気付いた。

 青年は足元を気にしながら、その洞に懐中電灯の光を向けていたが…これではまどろっこしい…そう口で呟くよりも速く、担いだリュックサックを棺の傍に放り出す。そして、もっと洞の方へと近づくべく自ら、氷水の張られた水槽の様な水溜まりに両足から飛び込んだ。

 (これは、もたもたしてると脚の感覚が無くなっちまいそうだ。…無駄足に成らなければいいけどな…。)

と、冷え切った清水に両脚を締め付けられながら、己を皮肉る様に、あるいは、戒める様に、青年が胸中でそう愚痴を零した。…青年自身、吸血鬼が入っているであろう人形箱を前にして、どうしていいものやら…態度を決めかねているのかも知れない…。そうしてその事が、青年を霜焼けの様なもどかしさへと引きずり込んでいくのだろうか…。

 青年はわざと乱暴に冷水を掻き分けて歩くと、やや岩肌へとぶつかる様な勢いで、懐中電灯を洞の中に突っ込んだ。

 縦横20センチメートル弱の小さな洞の中を、あっと言う間に光が埋め尽くす。その零れ出した光の真中に青年は…細い、指の骨の様な…白い棒状の何かを見た。

 (蝋燭(ろうそく)か…これだけ暗いんだから、それ位の備えはするか…。)

 杯ノ五十七を読んでやって下さり、ありがとうございました(^v^)

 うーむ、こう…次に繋がる様な伏線源をたっぷし設置するとなると…流石に、『即興小説』の体裁が保てているのかどうか…。実際に執筆している意外には、完全に、この作品の事は思考停止しているのは間違いないんですけどね…まっ、良いか。

 それでは、また、次回の即興小説『貴女を啜る日々』でお会いいたしましょう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ