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杯ノ百九十七

 「貴方には、私に罵声を浴びせる権利があると思うわ。私が貴方の拠り所を奪っていた事で、ずっと溜め込んで来た貴方の気持ちを…それにきっと、貴方の勇雄(いさお)に対しての気持ちだって…私が受け止めるべきなのよ…。だから、どうか…貴方の気の済む様にして欲しい…。」

 童女は切々と、静馬(しずま)へ語り掛けた。…両手は、どこか他人行儀に、眼鏡の曇りを指で擦りながら…。

 静馬は自分が静穏な心境に居る事を…少なくとも、丸眼鏡のレンズに指紋が付くのではと、客観的に心配できる程度に冷静である事を…心臓の鼓動で確かめる。

 そうして静馬は、童女との会話へと踏み出す事を、決意するのであった。

 「申し出は有り難いけど、その気持ちは受取れません。俺にはもう必要の無いものですから…。」

と、静馬の言葉付きには、少年が目上の人物に応えるかの様な、微かな未熟さと、警戒感が耳に付く。

 しかし、その口振りが如何様なものであれ童女には…静馬の気持ちを(おもんぱか)っている余裕など無かった。

 自分の苦しい胸の内に対して、静馬が言葉で答え様としてくれている。その事に童女の顔はほころんで…だが、その言葉の意味するところが拒絶であると解かった瞬間…彼女の笑顔に、失意と、ある種の憤りが入り混じった様な、毒々しさが広がっていく。

 「何故なの…。」

 これが童女の精一杯。気の遠く成る様な一喜一憂の後、震える手で丸眼鏡を膝の前に置いて、たったそれ一言を絞り出す。…これが、童女の精一杯だった…。

 静馬は、彼女の二の腕に纏わり付いた長い髪から目を逸らし、一呼吸。それから童女の問いに答え始める。

 「貴女の心臓に杭を打った時から、俺には、もう…何一つ無いんです。」

 杯ノ百九十七を読んでやって下さり、ありがとございました(^v^)

 今回も、『変更案』が採用できない理由をお話して行きたいと思います。

【『通し番号の他に、表題を付ける』の場合】

 この案は、サブタイトルの通し番号の後ろへ、『洋館』や、『洞窟』などの、簡単な表題を付けてはどうかというものです。

 まぁ…この場合がなぜに却下されたのか、あえて説明するまでも無いかとは思いますが…一つ目の問題は、『貴女を…』の話数が多い事にあります。

 現在までで200話近くあり、間違いなく、ここまでは『一区切り』の中に含まれる。そうなると、各々に異なった表題を付けると言うのは…一話700文字で、各話ごとの動きが大きくはない当作品…かなり無理がある。…そう答えざるを得ませんね。

 また、これとは別に、『洞窟1』、『洞窟2』と、表題を使い回すという手法も考えましたが…通し番号の後ろへ、通し番号付きの表題を書き加えると言うのは…一体、何をやって居るのか、何か意味があるのかも分かりませんもんね…。

 そう言った訳でこの案も、順当に退けられた次第です。

 それでは、最後の案である『数話分を1パートに纏めて投稿。目次に表示される絶対量を減らす。』の場合を残しまして、今回は、この辺で(^v^)

 また、次回の梟小路の綴る文章でお会いいたしましょう。

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