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杯ノ百八十八

 答えを急かしては成らない、そして、答えを焦ってもいけない。そう、静馬(しずま)と、自分に言い聞かせる様に童女は話を続けた。

 「だけど、それは…裏を返せば、貴方が私に気を使う必要のない子だという事でもある。…どんな残酷な事実だとしても、私に包み隠さず話す権利があるという事でもあるわよね。…なんて、やだ、私ったら…さっきから手前勝手な事ばかりを喋って…。」

 童女は顔を上げて真っ直ぐに静馬の瞳を見つめてから、堅い石の上に手を付き、深々と頭を下げた。

 「貴方には、私に対して正直に、偽りなく真実を話す()われが無い事は重々承知しています。…けれど、どうか…どうか、嘘など吐かないで、本当の事を教えて貰いたいの…。」

 静馬に訴え掛けるその声は、石舞台の表面に反響し、涙声の様に震えて聞こえた。

 彼女が自分に何を尋ねようとしているのか、静馬には解かっている。よって、その気になれば、童女の切々とした言の葉をぶった切って、お涙頂戴の独白に終止符を打ってやる事も出来た。…しかしながら静馬は…、

「あぁ、嘘は吐かない。あんたに…あんたの寝込みを襲った俺を信じられるのなら…誓うよ…。」

 童女か、それとも自分自身に対してのものだったのか。そんな皮肉めいた言葉が彼なりの、情にほだされた自分への、せめてもの謀反気(むほんぎ)だったのかも知れない。

 そして童女にも、当然、静馬の色好い返事を否む理由は無く…尚更に、細い背中の背筋を目立たせ、頭を下げた。

 「あの、どうも話し難いんで…頭上げて貰えるかな。それから、出来れば何か身に着けて欲しい…何とも、目のやり場に困るんで…。」

「ごめんなさい…。だけど私は、顔を上げる事が出来ない。」

 杯ノ百八十八を読んでやって下さり、ありがとうございました(^v^)

 『小説家になろう』さんには著者向け、読者向けに、色々なオモシロ機能がある様です。

 その中で、この度、梟小路が目を付けたのが…『レイアウト設定』という機能。 マニュアルによると、これは『文字のサイズやリンクの色、背景などを変更する』ことが出来るものらしく、相当に便利で、楽しめそうな機能ですなぁ。

 まぁ、いきなり小説の背景を真っ黒にしてみたり…とかって積りはないんですけど、もうちょっとこの機能を弄ってみて、良さげな塩梅を見付けられたなら…多分、『貴女を…』の一話を使い、皆様にお披露目する事に成るかと思います。

 読み易さを重視しつつ、派手に成らない様な配色を目指しますので、どうぞ、お楽しみに(^v^)…って、あれ、それだったら、現状維持がベストな気も…うーむ…。

 それでは、また、次回の梟小路の綴る文章でお会いいたしましょう。

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